【大紀元日本11月23日】中国語に「仁者見仁、智者見智」という諺がある。仁者は仁を見て、智者は智を見る。人によって物事の見方が異なるという意味だ。しかし最近では、この諺にさらに「淫者見淫(淫乱者は淫を見る)」という4文字が足されている。
95%の汚職幹部に愛人が存在し、「淫者」がはびこる中国当局に「淫」と認定されたのは、中国の著名芸術家・艾未未氏が女性4人と裸で写っている写真。ポルノをインターネット上で拡散したとして、写真を撮影した艾氏とその助手が、このほど北京の警察当局にわいせつ容疑で取り調べを受けた。
問題の写真は、今年初めにインターネット上に投稿されていた。裸で椅子に座った艾氏が同じく裸の女性4人と談笑する様子が写されている。4月に脱税容疑で拘束された際も「この写真はポルノだ」と非難されたが、「ヌードはポルノではない」と当時、一蹴したと艾氏は語っている。
中国当局が写真の存在に気付いていながら、10ヶ月経った今になって取り調べを始めたことについて、ドイツ政府系メディア「ドイチェ・ベレ」(中国語版)は、「酔翁の意は酒にあらず(真意は別の所にある)」と解説した。
当局に1500万元(約1億8000万円)の追徴課税を課せられた艾氏は先週、支援者らからの送金を元に、845万元(約1億200万円)を支払ったばかり。支払いが不可能と見込んだ当局にとってこの動きは、「ふたたび艾氏を収監しようとする目論みが見事に外れた」とドイチェ・ベレは指摘する。
それどころか、国内外で艾氏を支持する輪が広がり、艾氏自身もふたたび公に発言するようになってしまった。面目丸つぶれの当局は「艾氏を黙らせる」ため、今回は「わいせつ容疑」を仕立てたとドイチェ・ベレは分析する。容疑がいったん成立すれば、2年以下の懲役に処される可能性があるという。
だが、今回の政府の嫌がらせも支持者らの強烈な抗議を招く結果となった。「艾ファンのヌードー中国政府よ、ヌードはポルノではない」というサイトが立ち上げられ、21日午後までに、すでに70人の支持者が自らのヌード写真を投稿し、艾氏への支持と声援を示した。
「脱税容疑」から「わいせつ容疑」。中国当局がどんな嫌がらせをしても、結局は市民の抗議活動を煽り、自業自得に終わるだけだとドイチェ・ベレは解説している。