【大紀元日本11月25日】中国海軍の艦隊が、11月下旬、西太平洋海域で軍事訓練を行う。オバマ大統領がアジア太平洋地域での軍事配備の増強を公表した矢先のことで、中国側の動向に諸外国の関心が高まっている。
23日に中国国防部の公式サイト上で、今回の軍事訓練の情報が公開された。
同国防部の新聞事務局は、「今回の訓練は年度計画の予定行事であり、特定の国、目標をけん制する目的はなく、国際法と国際慣例に沿ったものである。中国側の関連海域での航行の自由などの合法的な権利に対して、いかなる妨害も受けるものではない」とコメントした。
米国国防省のカービー報道官は、すべての国と同様に、中国政府にも独自の方式で軍事訓練を行う権利がある、と述べ、米国は今後も引き続き国際海域での自由の航行を支持すると示した。
安全保障、軍事問題の研究で有名な米国大手シンクタンク「ランド研究所」の政治アナリスト、ハロード氏は、中国海軍の西太平洋上での今回の軍事訓練が、オバマ大統領の公表に関連するものであるかは不明だが、中国側の動きから、かなり以前に計画されたものであろうと述べた。
ハロード氏は、「この種の訓練は1日や2日で計画できるものではない。中国側もオバマ大統領への当てつけとしての行動ではないことを示そうとしている」と述べた。
一方、防衛省は23日、中国海軍の艦艇、計6隻が22~23日にかけて沖縄本島と宮古島の間の公海上を経由して太平洋に向かったと発表。「公海上のための国際法に問題はない。海上自衛隊の哨戒機などによる警戒監視を続ける」と示した。
BBC中国語版は、「アジア太平洋地域の国々は中国政府が増強し続ける軍事力に憂慮している。一方、オバマ大統領が今月、インドネシアでの東南アジア諸国聨合(ASEAN)の会期中に、同地域での国際情勢に対する関心を強調したことで、中国政府は危機を感じ、米国とその同盟国に包囲されていると認識していることだろう」と報じた。