【大紀元日本11月28日】17日、中国29省(自治区と直轄市を含む)の170都市に及ぶニセ薬の生産拠点が摘発され、1800人近くの容疑者が拘束された。同類の正規薬品の価格で計算すれば、摘発されたニセ薬の金額は20億元を超えているという。
回収した正規薬品の包装箱と偽造品防止マークでニセ薬を製造
浙江オンライン23日付の報道によると、全国29省に及ぶニセ薬の生産拠点の最も重要な仕事は、正規薬品の包装箱の回収であり、拘束された20人以上の容疑者は、包装箱や破棄薬の回収に携わっていた。ニセの薬品を本物らしく見せるため、偽造品防止マークをも回収して再利用したという。
最初に逮捕された安徽省出身の李容疑者は薬品包装箱の回収業をしていた。同容疑者の業務範囲は浙江省の杭州市、温州市、金華市などの地域に及んでおり、彼に商品を提供する関係者の多くは病院の清掃員であり、彼らは各病院から説明書付きの薬品包装箱や偽造防止マークを収集することを担当していた。
一部高価な腫瘍や心血管疾病の治療薬は1箱2、3万元で売れているため、このような薬の空箱も一つ1200元以上の高値で売れるので、人気を集めているという。回収した空箱はその薬品の生産ロットを調べて同じ流通地域に使用される。
押収されたニセ薬は3億錠 小麦粉で作成したものもある
偽造品防止マーク、薬品使用説明書と包装箱を揃えたら、これらのものを生産拠点に持っていて、薬品を作ることになる。薬品の中身はトウモロコシ粉や小麦粉で作られたものもあれば、患者から回収してきた飲み残された薬品や使用期限が過ぎた薬品もある。その他に値段の安い薬品を使って高価な輸入薬品に作り替えたものもある。
今回押収された30種類以上のニセ薬3億錠の中に、腫瘍治療薬のスーテントや大腸ガン治療薬カンプトなど、世界最大の医薬品メーカー・ファイザー製薬の商品を偽造したものが多くみられた。これらの薬はきれいに包装され、偽造防止マークと生産ロットがついているため、外からは本物か偽物かを見分けられない。
このようなニセ薬の販売価格は千元から2、3万元になるものもある。主な流通ルートはインターネットでの販売や個人の診療所である。消費者は安さにひかれて購入する。例えばスーテントの正規薬品の販売価格は一箱3000元以上であるが、ニセ薬のネットショップ価格は1500元前後で販売されている。
捜査した資料をまとめた結果によると、中国全国で3700軒以上の薬局はニセ薬の販売にかかわっているという。一方、一定規模の病院の薬品購入は競売入札によるもので、直接薬品会社から購入しており、大きな問題はなさそうだ。