【大紀元日本12月9日】2012年の中国の対外貿易は「比較的厳しい」状況。中国商務省国際貿易担当の崇泉・副代表が7日、『中国対外貿易白書』の記者発表会でこのように述べた。
今後1年間、欧米からの外需の大幅な回復見込みが低い一方、国内の生産コストは引き続き上昇していく。この状況下で、中国は今後、輸出の対象を発展途上国、特に新興国に重点的に移していく意向を、崇氏は明らかにした。
商務部対外貿易司の王受文・司長も同じ席で、欧米需要の減少や国内人件費の高騰、原材料コストの上昇などの影響を受け、中国からの輸出成長は来年鈍化すると述べた。
同日、中国社会科学院は2012年『経済青書』を発表し、中国の経済成長における輸出依存度は大きく低下すると強調した。
青書は、世界的な景気低迷の状況は今後も長期にわたって継続すると指摘し、その中で営まれる中国経済は、輸出依存型から脱却する局面にあるという。これをきっかけに、今後の中国経済は内需を主体とする経済モデルに移行すると予測されている。
北京大学の経済観察研究センターの仲大軍主任は英BBC(中国語版)の取材で、青書が予測した内需型経済への転換の決め手は「貧富の格差を縮めること」だと主張した。
中国経済の発展には、収入格差や社会保障の低下などのゆがみが併存してきた。そのため「高収入者は金があっても使う所がなく、低収入者は欲しい物があっても買えない」という状況が起きているという。
仲主任は、社会的財産の合理的な分配は、内需型経済モデル実現の前提条件であると指摘している。
(翻訳編集・張凛音)