【大紀元日本12月13日】韓国海洋警察は12日、韓国の排他的経済水域にあたる黄海海域で、不法操業する中国漁船の取り締まりにあたった海洋警察官2人が、中国船員に刺されたと発表。1人は死亡、1人は負傷した。韓国外交通商部は同日、駐韓国の中国大使を呼び出し、強く抗議した。
公表された情報によると、韓国海洋警察庁の巡視船は同日早朝5時半頃、朝鮮半島西側の黄海沖で不法操業中の66トン級の中国漁船を発見した。同地域は韓国の排他的経済水域である。
韓国側の警察が同漁船を拿捕し、乗組員たちを取り押さえた。その後、朝7時頃、中国人船長が突然窓ガラスを割り、その破片で警官2人を刺したという。
韓国海洋警察庁の公表によると、警官たちは防刃チョッキを着用していたが、41歳の警官が左脇腹を刺されて死亡。腹部を刺された33歳の警官は、現在、病院で治療中。中国人の船員9人が身柄拘束された。
韓国の排他的経済水域で違法操業する中国漁船は以前から増え続けている。
韓国海洋警察庁の海岸警備隊の公表によれば、今年はこれまでに黄海海域で430艘の中国漁船を拿捕しており、昨年より60艘増えている。韓国警察の巡視船に故意に体当たりしたり、鉄パイプなどの凶器で警察に襲い掛かるケースも少なくないという。
韓国の通信社・聨合ニュースは、韓国海洋警察庁長官の談話を引用し、同庁の姿勢を伝えている。同庁は今後、違法操業の中国漁船の取締において、強硬措置を実施する。状況に応じては海洋警察の銃発射を許可する構えだ。
中国漁船を取り締まっていた韓国の海洋警察菅が死亡したのは2人目。2008年の取締事件で韓国警察は1人死亡6人負傷した。昨年12月には、群山市沖で中国漁船が韓国巡視船に体当たりして転覆。中国漁船員1人が死亡し、1人が行方不明、さらに韓国の海洋警察4人が暴行を受けて負傷するという事件も起きている。事件発生1週間後、韓国政府は身柄拘束された中国人船員3人を無罪釈放した。
当時、この無罪釈放は中国漁船の暴力行為を助長してしまい、今後の取締を一層難しくしてしまうのではないかと、韓国海洋警察庁は懸念していた。
今回の事件に関しては、韓国の外交通商省・朴錫煥第1次官が、事件のあった12日の午前に、駐韓国の中国大使を呼び出し、強く抗議した上に、中国政府に再発防止の対策を要求した。
一方、中国外交部の報道官は会見で、違法操業の漁船への管理を強化すると述べ、「韓国とともに適切に処理したい」との意向を示した。