【大紀元日本12月23日】中国水利部の江水利部長はこのほど、長江の上流地区において、4大生態環境問題である凍土、凍土環境の退化、植生の退化、凍結融解の浸食及び土地の砂漠化が現れたと発表した。
また、江部長が過去の数値を参考しながら現地調査を行った結果、長江の水源である区域の氷河は縮小状態にあり、2000年以降、水土流失の面積が増加していることも明らかになった。
一方、長江の水源地域の生態環境問題をもたらした主な原因について、中国の政府系メディアは「世界的気候の変化」だとしている。一部の学者は、政府の「自然を改造する」という長期政策の結果だと反論した。
関連の資料によると、1949年までに長江沿岸では中国人口の半分以上が居住していた。長江の源には広大な原始森林があり、水の貯蔵能力は4千億立方メートルだという。しかし、中国共産党が「自然を改造する」という政策を掲げ出してから、長江の上流地域で森林の伐採が大々的に行われてきた。その結果、その森林の水の貯蔵能力は1千億立方メートルまでに減少した。生態環境への破壊は、もはや限界に達している。
2006年に国家プロジェクトである三峡ダムが建設されて、長江を真2つに切断してしまった。1千億人民元(約1兆2千億円)以上を費やしたこの三峡ダム、水の貯蔵能力は300億立方メートル。同じダムを10個建設して、やっと中国政府による森林破壊で失った3千億立方メートルの貯水能力を取り戻せる。
専門家は、数十年間にわたり、中国共産党は「自然の改造」を続けてきたため、現在は長江流域だけではなく、中国全体の生態環境が悪化していると指摘、「中国国民はこれから深刻な代償を払う」と警鐘を鳴らした。
(記者・汪宏量、翻訳編集・余靜)