【大紀元日本1月10日】韓国の李明博・大統領は9日から、中国を正式訪問している。今回の三日間の訪中で、両国首脳は自由貿易協定の締結を議論するほか、北朝鮮の金正日・総書記の死去後の朝鮮半島の未来の情勢について、意見交換するとみられる。
大統領サイドが8日に公表した声明文は、「両国首脳は、双方の戦略パートナー関係のさらなる発展や、朝鮮半島の平和と安定などの問題を議論する」と記した。
今回の訪中は同大統領にとって二回目となる。
韓国政府は、2012年の外交政策は、朝鮮半島の安定に努めることだという主な方向付けを示した。
先月、北朝鮮の金正日・総書記の死去を受け、三男の金正恩氏が最高指導者の座に就いた後、北朝鮮メディアは、李大統領の任期内に韓国政府との関係を改善することはないと報じた。また、韓国に対する敵対宣伝をも強化した。
一方、北朝鮮にとって最も重要な盟友である中国政府は、いち早く北朝鮮の新しい最高指導者への支持を表明。中国は北朝鮮に強い影響力を持っているため、六カ国協議に参加する米国と韓国は中国政府に対して、金正恩氏を抑えこみ、敵対行動を一切取らせないように支持してもらうことを期待している。
先週末、駐中国の李揆亨・韓国大使は、北朝鮮が軍事的挑発行為を起こしたり、間違った政策を執行するとき、中国は北朝鮮を保護し支持する態度をとっているようだと指摘。これは一大問題であり、韓国は引き続き、中国にこの姿勢を変えるよう交渉していくと述べた。
2010年、北朝鮮の魚雷が韓国の軍艦を撃沈し、46人の韓国兵士が死亡した事件が発生した際、中国は北朝鮮を非難することを拒否した。これに関して韓国側は強い不満を持っている。
米ブルームバーグ・ニュースは、韓国外交と国家安全研究所の尹徳民・教授の見解を引用し、「韓中両国は北朝鮮の関連問題で意見が分かれているが、両国の自由貿易協定の問題とは切り離して議論することだろう。韓中両国の経済関係は双方にとって非常に重要だからだ」と報じた。
(翻訳編集・叶子)