【大紀元日本1月30日】 ガイトナー米財務長官はこのほど、中国の貿易政策を批判し、人民元のドルなどの外貨に対する貨幣相場を大幅に切り上げるべきとのこれまでの認識を繰り返した。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)はこの報道に関して、「経済を持続的に発展させてきた『中国モデル』は、徐々に発展の障害になりつつである」という専門家の意見を報じた。
ガイトナー財務長官は27日、スイスのダボスで開かれた世界経済のシンポジウムで、中国の世界貿易システムへの挑戦はかつてないレベルであると言及。
同財務長官は、中国政府は主な輸入品を慣例的に補助し、しかも一定の期間、人為的に人民元の相場を低く抑え「貿易パトナーの利益を犠牲にして、自国の製造業を構築した」と発言した。
中国の政策は貿易パトナーに大きな弊害をもたらすだけでなく、国際貿易システムにも悪影響を及ぼしていると同長官は指摘した。
同長官は、中国経済の主導権は国家にあり、エネルギーの輸入を政府が補助するだけでなく、エネルギー・土地の獲得などの分野でも国がリードしている。「中国がこの分野で改善することがカギとなっている。人民元の切り上げに止まらず、財政補助などの政策も改善すべき」であると同財務長官は見解を述べた。
この問題に関して、北京理工大学の胡星斗・教授は、VOAの取材に応じて次のように分析している。「中国には本当の意味の市場経済はない。国家主導の市場経済であり、権力、官僚主導の市場経済である。財産権や所有制度、労働資源と資本資源の配分などの面に権力が介入するため、深刻な歪みが出ている。この種のいわゆる『中国モデル』は、市場経済の発展に伴い、発展の障害になりつつである」
さらに同教授は、「この種の国家による独占、国家主導、権力への干渉、大規模な国家補助などは、中国の今後の発展の妨げになっており、厖大な利益独占の集団を形成している。不公正な社会的分配、幹部汚職の氾濫など、全ては我々の権力主導モデルに深く関連している。改革を通して権力と市場を切り離さなければ、特権、汚職、貧富の格差、そして社会的な衝突はさらに悪化していくだろう」と述べた。