【大紀元日本2月2日】中国による鋼やアルミニウムなど9種の希少金属の輸出制限は、加盟国の協定違反で国際ルールに反しているとして米国と欧州連合、メキシコが提訴していた問題で、WTOは30日、欧米側の主張を認めた。
今回の裁定についてロン・カーク米通商代表は「米国、特に製造業とその労働者にとって大きな勝利。オバマ政権は引き続き、中国に他国同様、ルールを守るよう促す。そこではじめて米国労働者と企業が平等な競争権利を得られる」と述べた。
米通商省は、「中国が工業原料を輸出制限することで米国や他国の競争環境に不利益をもたらしている。これらの国の製品、生産と輸出に影響し、人為的に原材料の価格を押し上げた。同時に、中国製品の生産コストが低下させたため、中国企業は国際市場で巨大な競争優勢を得ている」とし、この種の輸出制限は、外国メーカーに強い圧力をかけ、最終的には生産と技術を中国に移さざるを得なくなったと主張していた。
EUとメキシコも、米国と共に中国を提訴した。日本や、韓国、台湾、カナダ、インドなどの13の国と地域は第三者として訴訟に加わった。そのため、2009年12月21日、WTOは本件を対応する委員会を結成した。
WTO紛争処理小委員会は2011年7月に米国の上訴を受け入れ、「環境と資源保護のための輸出制限」という中国当局の弁解を認めないとの見解を示していた。
今回の裁定のほかにWTOは、中国が輸出価格の底値を定めたり、輸出許可や輸出枠を設けたりしているとも指摘し、これらの措置もWTOのルールに違反し、今後も紛争解決機関(DSB)は米国らの要請に応じて、規定に沿って政策を執行するよう中国に求めていくという。
中国国内紙「環球時報」は1日、社説を発表し、再度「輸入規制は環境保護と原材料不足のため」と弁解、WHOの裁定に対して「完全に不合理、国内資源の利用及びその環境に対する脅威」と強い口調でこれを非難している。