【大紀元日本2月27日】米プロバスケットボールNBAで大活躍中の台湾系米国人ジェレミー・リン(林書豪)が引き起こした『リンサニティ(リン旋風)』が、中国大陸でも巻き起こっている。しかし、アメリカのようにスター選手への優れたプレーに熱狂するのとは違い、政治的あるいは民族的な要素もその旋風には含まれている。
中国ネット界でも起こるリンサニティ
ここ最近、米国内のテレビや新聞、ラジオで『リンサニティ』という言葉が踊る。「狂気、常軌を逸する」を意味するInsanity(インサニティ)をもじったもので、デビュー5試合の平均スコアはNBA新記録、所属する弱小チームを7連勝に導いたジェレミー・リンの活躍ぶりを表す言葉だ。この言葉は23日、米国登録商標特許局で商標登録されたほどだ。
中華系がアメリカで大旋風を起こしている、という話題は中国大陸内でもホットな話題となっている。リンは、NBAではごく少数派のアジア系スターということのみならず、名門ハーバード大学卒業という文武両道ぶりも、学力志向の強い中国では注目されている。
「おそらくジェレミー・リンは姚明(中国バスケットボール界のスター選手)よりも人気になったんじゃないの?しかもハーバード大卒!すごい」「栄光を勝ち取ってくれ、それを我々で共有しよう」などの言葉がマイクロブログ・微博に次々と上がる。
台湾在住の人気歌手・王力宏は自身の微博にこう記す。「リンは、私たち(中華系)の米国内での格を上げ、そしてアメリカ人が抱く固定概念を逆転させた」
本当のスポーツファン
鳳凰TVのジャーナリストで人気ブロガーである闾丘露薇はリンに関する文章を掲載した。リンのプレーを賞賛するのではなく国籍や学歴に焦点が当てられる中国国内の風潮について綴ったこの文章は、約12万回読まれ、1000以上のコメントがついた。
「リンの中国のプロバスケットボール入りについて、すでに数人のジャーナリストが話し合っている。あるものは姚明の所属する上海シャークスへの移籍話を明らかにしている。しかし最大の問題は、中国にくるなら、リンが中国籍でなければならないということだ」
「中国メディアは、リンの両親が台湾と米国のパスポートを持っていることに言及していない。現在、台湾当局はリンに台湾のパスポートを与えると発表している。さらに中国当局は、リンの祖先は浙江省にあるとも言っている。しかし実際そのルーツは父親側だけで、しかもリンの曽祖父まで台湾人だ」
「試合の観戦を続けよう、そしてリンから学ぼう。何をするにしてもこれを政治的にしてはいけない。リンの国籍、また中国人に感服させた彼の学歴に異常な関心を示している人はスポーツファンじゃない」と闾丘露薇は厳しく指摘した。
リンは敬虔なクリスチャン
リンは敬虔なクリスチャンであることでも知られている。10年来リンを知るスティーブン·チェン牧師は、彼は非常に謙虚であり、誠実な人物だと、地元紙ニューヨークデイリーの取材に対して答えている。牧師いわく、リンは「NBA入りしたことも、ただベンチに座りプレー時間が短い日であっても、これらは神の恵み」と述べているという。
ただスポーツ界にはファンの数ほど中傷者も多いので、リンは宗教に関して言及することに慎重になっていると牧師は話す。しかし「リンは自身の持つすべては神からの贈り物だということをよく理解している」という。
一方、中国ではこのリンの敬虔さについての報道は極めて少ない。