クリントン米長官、中ロの否決権行使は「卑劣」 中国「受け入れ難い」  

2012/03/01 更新: 2012/03/01

【大紀元日本3月1日】米クリントン国務長官はこのほど、シリア問題への対応について、再び中国とロシアを非難した。同長官は両国政府に対して、シリア人民の民主・自由への要求を阻止しないよう求めた。中国政府は27日に反応を示し、クリントン長官の同見解は「受け入れ難い」と反論した。

国連大会が17日、シリア問題に関する新たな決議草案の採決を行った際に、中国とロシアは反対票を投じていた。これについて、アラブ諸国と欧米諸国はこれまでも不満を示し、両国はアサド政権の暴力行為を見て見ぬふりしていると非難した。ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)の関連報道は、「中国当局はシリア問題において、再び国際主流社会に背く論調を唱えている」と評した。

今回のクリントン長官の発言は24日、チュニジアで開かれたシリア問題の国際会議の席で述べられたもの。同会議に参加したのは米国や、欧州委員会およびアラブ連盟など多数の国。中国とロシアは事前に不参加を表明していた。

クリントン長官は、中ロ両国は国連安保理の常任理事国として、シリア人民がアサド政権に虐殺されているのに、同政権を非難する国連決議案を支持するどころか否決権を行使したことは「卑劣」だと批判し、両国政府に対して、立場を変えてシリア人民が自由を求める願望を抑圧しないよう促した。

一方、中国政府は自分の立場を弁解し続けている。自分たちはシリア問題において、積極的な役割を果たそうとしており、衝突する各方面が平和的に問題を解決するのを期待しているという。

中国外交部の洪磊・報道官は27日の定例記者会見で、「我々は(クリントン長官の)このような言い方を受け入れられない、外部から危機解決の案をシリア国民に押し付けてはならない」と発言した。

潘基文・国連事務総長は16日、安保理が一致した意見に達しなかったことは、アサド政権による自国民への攻撃を容認したのではないと述べ、「我々が議論する時間が長ければ長いほど、もっと多くの人が亡くなっていく」と懸念を示した。

(翻訳編集・叶子)
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