【大紀元日本3月6日】最近発表された政府の結婚に関する調査報告書によると、20~30代の婚期を迎える男女が支払う結婚費用は、40年前の親世代の結婚費用と比較すると約1万倍にもなることがわかった。また、調査に回答した1980年代生まれの独身女性の8割は、結婚対象となる男性に対して4千元以上の月収を求めているという。MSN中国が、ある60代女性の結婚に関する人生体験を伝えている。
息子の結婚式で貯金はなくなる
武漢市在住の羅さんは、このたび結婚する息子の結婚資金で貯金を使い果たしたという。そして40年前の自身の結婚式と比べると1万倍だと不平を述べる。「当時は自転車を買って武漢市局で写真を撮るだけ。比較的裕福だった夫の親戚を招待し、3つのテーブルに食事を用意するのみで、100元ぐらいで済んだのに」と羅さんは話す。
1980年代になると結婚写真と披露宴を開くのが流行し、習慣化した。新婚の夫婦は新しい家具一式を購入するようになり、費用は約3千元と10年で30倍に跳ね上がった。
1983年に結婚した羅さんの知人のケースでは、花嫁を迎えるための高級車をレンタルした。一台100元を5台借り、結婚費用は3000元にもなった。家具は節約のため自ら作成したという。当時の中国人の平均月収は20元といわれている。
中国で結婚に関する風習は地方により様々だ。新郎が馬に乗り、新婦の家まで装飾された駕籠(かご)で迎えに行くという習慣があるが、いまでは馬と籠が、ベンツやキャデラックなどの西欧高級車にとって代わった。
さらに近年、結婚を申し込む男性は、条件として住宅を所有していなければならない、という風潮が広がった。
2000年には羅さんの長男が結婚した。「5万元を結婚式に費やしました。当時、新居は買わず古い家を改装したものの、2万元はかかりました。それから家具と家電で1万元、披露宴代1万5千元と写真撮影代5千元」。羅さんは、それが限界だと感じたという。
羅さんは頭が痛い。翌月には次男が結婚する予定だからだ。披露宴や写真のほかに、新婚旅行に選んだバリ島への渡航費、新居の準備や装飾、さらに新婦は新車を持つことも望んでいるという。
2012年、羅さんは息子の結婚式に100万元費やすことになる。それは40年前、彼女が挙げた式の1万倍の額になる。