失脚した薄熙来前共産党重慶市委員会書記と妻の谷開来氏は、政敵を消すために、2002年に起きた、112人が死亡した大連の飛行機事故を計画した疑いが浮上している。英紙や香港紙などが伝えた。
20年間、在中国の米国公館に勤務する男性は英紙テレグラフに対し、衝撃的な内容を証言した。薄熙来夫妻に「飛行機を爆破させるよう命ぜられた」という。
2002年5月7日、北方航空6136便、北京発大連行きの同機は、大連近くの海洋で墜落した。103人の乗客と9人の乗務員が全員、犠牲になった。
同機には、中国国家安全部人事司長特別補佐の李岩峰氏が搭乗していた。李氏の夫、韓暁光氏は薄熙来の政敵である大連市委書記・于学祥氏らと友好関係にあったためか、2001年に逮捕され、事故当時、大連の開発区刑務所に監禁されていた。李氏は夫の釈放を手伝うため、北京から大連へ向かう途中だった。
事件当時、北方航空や警察当局が発表した事故原因は、乗客を装った実行犯・張丕林が機内で火災を発生させたことによるという。当時の報道によると、張は末期ガンであったことがわかっており、生命保険金の受取目的で犯行に及んだと見られている。張は、大連公安局に技術者として2年務めた経歴をもつ。
回収された事故機のブラックボックスの内容は未だに公開されていない。事故当日、薄熙来氏はドイツに滞在していたが、張を買収し、犯行を指示した可能性が浮上している。
現在取り調べを受けている薄熙来氏は、大連市長在職中、何人かの政治要人と関係者の死亡に関与していると疑われていたが、警察当局の取り調べは一切なかったという。もっとも被害が大きく有名な事件が、この大連の飛行機事故だ。
また、薄熙来氏の関わる事件は更に多いとも、中国国外メディアは次々に指摘している。他にも、大連副市長の娘の死亡事件も薄熙来夫婦が関与した疑いがあるという。