【大紀元日本5月7日】最近、国際環境NGOグリーンピースが2回に分けて公表した『2012年茶葉農薬調査報告』によると、世界最大手茶メーカー・リプトンは、世界保健機構(WTO)が使用を禁じている農薬を使用した茶を、中国国内で販売していたことが明らかになった。一つのサンプルから少なくとも3種類、多いものは17種類が検出された。
グリーンピースは3月、サンプルとして北京市内の2つの店で中国で生産されたリプトンの緑茶、ウーロン茶、ジャスミン茶、紅茶などのティーバッグを無作為に購入。残留農薬検査のために独立した第三者機関に送った。その結果、中国の法律では使用が禁止されている農薬、およびWHOが「非常に有毒」と指定する農薬が検出された。
報告書の中でグリーンピース食品農業担当者・王婧氏は「世界で最も売れている茶ブランド・リプトンは、中国国内のゆるい農薬管理体制を利用して、中国の顧客を獲得しようとしている」と述べている。
リプトンは同報告書の指摘を否定する。同社の中国語公式サイトには「国が認可した農薬だけを使用」と主張、さらに「(人体への)影響力を考慮した最小限の量」しか農薬を使用していないと述べている。
ゆるい管理基準
2回に分けて発表されたグリーンピースの同報告書は、1回目は中国の9つの大手メーカーが生産する茶葉について、2回目は中国国内で販売されるリプトン社製品についてだ。
グリーンピースの指摘について、中国農業部農産品質量安全監督局標準処の董洪岩処長は、「我が国の茶葉品質は全体的に安全で、保証できるものだ」と話す。銘柄茶葉から、すでに茶樹への使用を制限されているエンドスルファン、メソミルなどの農薬が検出されたのは、水や土壌の中に残留したものや、他の農作物に使用した際に浮遊し付着したことが主な原因であるという。
だが、実際の状況は違うようだ。
「中国網」によると、浙江省新昌県仙鎮の農業用物資店は農薬販売の主要店で、記者がエンドスルファンを見つけたが、「エンドスルファンは一か月に一度使用できる」と店の責任者は話したという。
茶農家は夏秋茶を飲まない
貴州省桐梓で茶農家を営む趙さんは大紀元の記者に対し、「発ガン性の高いメタミドホスは国で使用を禁じられているが、1本のメタミドホスに生物農薬10本相当の効果があるため、ここの茶農家は好んで使用している」と話す。
また、茶農家自身は夏秋茶を飲まず、農薬を撒かない春茶だけを飲むという。
茶葉市場、農業局や交渉管理局では茶葉の品質に対し抜き取り検査を行っている、重慶市盤溪茶葉市場で鉄観音を売る王さんは大紀元の記者に対し、「抜き取り検査は形だけで手続き料を支払えばそれで終わる」と話す。
グリーンピースの王婧氏は、「検査だけでは安全は保障できない。商品の生産情報を追跡するシステムを設立し、農薬の使用に対する管理が必要だ」と訴えた。