【大紀元日本5月11日】9日に開催された広東省第11回党大会で、同省トップの汪洋氏は、「人民の幸福は党や政府からの恩賜ではない」と発言し、波紋を呼んだ。
汪氏は政府工作報告を行った際、「人民を幸せにするのは党及び政府の責任である。人民の幸福が党や政府からの恩賜だという誤った認識を改めるべきだ」と述べた。
「反党言論」とも言える同発言は広東省の地方紙・南方都市報が公式ミニブログに掲載したところ、1時間足らずで、約1万回も転載された。
これまで、オリンピックで金メダルを取った選手でさえ党への感謝を要求され、「共産党がなければ、新しい中国はない」を口癖のように数十年にわたって宣伝してきた中国政府・共産党。タブーを破った同発言に市民から「人間性のある言葉」、「称賛すべき発言」と賞賛の声が上がった。
しかし、反響が大きかったからか、同発言に関するコメント欄が相次ぎ閉鎖された。南方都市報のニュースサイトでは、党大会に関する記事はタイトルのみが表示され、本文部分は空白になっている。
汪氏は温家宝首相に近い改革派と見られている。国内外で注目された同省の烏坎村で起きた抗議活動に対し、国内初となる住民による自治選挙を受け入れるなど、その柔軟な政治手腕が評価されている。また、先日職務停止された薄煕来重慶市元トップのライバルとも目され、薄氏の失脚で次期指導部入りを果たす可能性が高いとも言われている。
(翻訳編集・余靜)