【大紀元日本5月24日】中国では約50以上の都市で地盤沈下が報告されている。最近、英紙タイムスの経済ブログに発表された中国の地盤沈下に関するデータによると、中国49000平方マイルの土地で少なくとも約24センチ沈み、特に上海は、1921年以降180センチも沈んでいるという。
同紙によると、上海が商業港都市として発展した19世紀に、国民の移住および他国からの移民の増加で人口が激増、1900年までに3倍の100万人を数えるようになった。土地整備などにより地下水は大量に消費され、地盤沈下が確認され始めた。1950~60年代までに、毎年4センチ沈んだ。政府は井戸水の利用を禁じ、地下貯水池を設置したにもかかわらず、沈下の勢いは止まらなかった。中国日報によると、上海では毎日6万トンの水が汲み出されているという。
上海が50年代から地盤沈下の問題が表れているころ、他の都市では80年代になるまでは現れなかった。中国当局の調査によると、国内50以上の都市政府は地盤沈下の問題に取り組んでおり、特に揚子江デルタ地域、黄河の二大支流である汾河~渭河地域、中国北部の平野部の3つの地域で深刻化しているという。
国営の中国中央テレビ(CCTV)によると、中国北部の河北省の都市・滄州では2009年までに約210センチ沈んだとされ、市内の病院は一階部分がひどく沈んだため、取り壊さなければならなくなったという。
一部の環境学者は、南極北極の氷河溶解のため水位が上がり、2050年までに上海は23~68センチ浸水すると報告している。
バルチモア・モーガン大学の土木工学教授ジャン・リー氏は、「すでに上海は満潮時、地面より水位の方が高いことを確認できる」と話す。また「もし台風や津波、ひどい熱帯低気圧に見舞われれば重大な損害を被る恐れがある」と指摘する。リー教授が説く解決法は、人口の分散化、地下水くみ上げの停止、住宅密度の低下だ。しかし経済発展を急ぐ中国にとって、これらの解決策が取られるかどうか現実的ではないという。