【大紀元日本5月28日】干ばつ、砂漠化、洪水―中国を悩ます自然災害にさえ、当局はコントロールしたいようだ。国営メディアによると、中国政府は今後5年間で人工技術による降雨量を3~5%増加させる。人工降雨には、ドライアイスまたはヨウ化銀を乗せたロケットを雲に打ち込む必要があるが、約7000本を用意しているという。
中国日報(英語ウェブ版)23日の報道によると、22日に北京で開かれた国家気象調整会議に出席した鄭国光中国気象局長は「中国の降雨技術は先進国に比べ15~45%立ち遅れている」と述べ、今後は人工降雨技術の開発と管理を強化する。気象局によると、7034台のロケットランチャー、航空機50機、6902発のロケット、4万7700人の要員を準備しているという。
中国の気象はここ数十年の急速な都市化によって損なわれ、干ばつ、嵐、ひょう、洪水などさまざまな問題を引き起こした。鄭局長は、中国の天災の約70%は悪天候に起因し、ますます気象変化は予測できなくなっている、と同紙に話している。
壊滅的被害を受ける国の農業を救うため、政府は人工降雨対策に1995年から2003年までに2億6600万ドルを費やした。近年では、干ばつが多発する農村地帯に、更に2530万ドルを投じて雨を降らせた。同紙によると2002年以降、約56万の気象ケースに変化を与え4897億トンの雨を降らせたという。
ヨウ化銀の使用には人体や自然への影響も危惧されている。米国カリフォルニア大学の環境健康安全局は、ヨウ化銀を、土壌と水を汚染する非可溶性の危険な化学物質とし、海洋生物や動物、人体に有毒だと指摘する。ヨウ化銀は鼻や口から吸引、または皮膚から吸収され、発疹や慢性鼻炎、頭痛、苛立ちを起こし、ひどい場合は腎臓および肺機能障害、皮膚を青灰色に変色させる皮膚病になりうるという。