【大紀元日本6月1日】中印戦争以後、半世紀も閉鎖されているチベット自治区ラサでのインド領事館の再開を、インド当局は望んでいる。
29日付の環球時報によると、中国がインドに対して、同国国内に3つめとなる領事館開設を申し入れた。インドは交換条件として、1962年印中戦争以来閉鎖されているラサ駐在インド領事館の再開を希望したという。現在、ラサにある在外公館はネパール領事館のみ。
インド国内紙ヒンドスタン・タイムズによると、過去にも中国は米印など外国領事館開設を拒否してきた。しかも最近、同地区では中国当局への抗議の焼身自殺が相次いでいるため、領事館開設には更に慎重になっている。中国当局はこれまで、焼身自殺の要因はチベット民族の精神的指導者ダライ・ラマ14世にあると主張してきた。
インドにはチベット亡命政府が置かれている。反中活動をしないという方針で、インド政府はダライ・ラマ氏を「賓客」として迎え入れた。チベット亡命政府によると、1959年、ダライ・ラマ氏がインドへ亡命すると、約10万人のチベット人が同じく移住したという。中国当局が同氏を嫌悪していることは広く知られている。
中国はインド最大の商業貿易相手国。インド当局は、チベットの領事館は相互の貿易バランスと、チベット民族の巡礼を助けると述べている。インドの在中国公館は、北京の大使館をはじめ広州、上海そして香港に領事館がある。
(翻訳編集・佐渡 道世)