【大紀元日本6月16日】新華社通信傘下の経済参考報は13日、数十年にわたる都市化につれ、重金属による土壌汚染は今、深刻な状態にあると伝えた。さらに、専門家の話として、江蘇省無錫市では、汚染された地表水に接触した魚は1分で死亡すると報じた。
報道によると、無錫太湖治理公司社長の黄暁峰博士は自身が改良を担当した電気鍍金工場では、「30年間汚染された土壌と水溜りは赤・黄・緑色を呈しており、地表水に含有する有毒物質は基準値を1万倍も超えていた。魚を入れると、1分で死んでしまう」と明かしたという。
同工場の土壌にはクロム、銅、ニッケル、亜鉛等有毒重金属が多く含まれており、深刻な汚染問題で2009年、工場は閉鎖された。
報道によると、南京市は2011年の1年間だけで、環境汚染が深刻な企業163社を閉鎖・移転させた。
南京農業大学の潘根興教授は、中国では有毒化学物質及び重金属の汚染は工業から農業へ、都市から農村へ、地表から地下へ、上流から下流へ、土壌・水から食品連鎖へと広がっていると指摘した。専門家らは現在最も汚染が広がっているのはカドミウム、水銀、鉛、ヒ素による汚染だと言う。
一方、土壌から栄養分を吸収する農作物にも汚染現象が発生している。潘教授が全国各地で調査を行った結果、中国で年間生産された2億トンの米の1割は、カドミウムが基準値を超えているという。特に湖南、江西、雲南、広西等省の一部地区の酸性土壌は広範囲にわたって、カドミウムに汚染され、収穫した米の6割超はカドミウム含有量が基準値を超えているという。
2011年10月10日、中国工程院メンバー羅錫文氏は、「わが国では重金属で汚染された土壌は全国耕地面積の6分の1に当たる3億畝(約2千万ヘクタール)を超えている」と警告した。ここ3年間、中国国内で特別深刻な重金属汚染事故が30回以上も発生している。