汚臭のする水道水 藻や虫の浮かぶ貯水池 すでに20年続く=広東省

2012/06/20 更新: 2012/06/20

濁っている野ざらしの貯水池(中国青年報スクリーンショット)

【大紀元日本6月20日】中国国営企業と地元当局の汚職ぶりは、住民の水道水さえ汚している。「蛇口をひねれば、飲めそうもない汚臭がする。しかも20年前から」18日、広東省河源市の住民は大紀元の取材に対してこう訴えた。そのため住民たちは他市などから飲用水を購入している。原因は、地元当局と国営水企業の腐敗にあると見られている。

住民の飲用水の元となる貯水池に殺菌剤などは加えられていないようで、大きな塊の泡となった藻や大量の虫が浮いているのが確認でき、まったく衛生面が管理されていない。山腹に設置されているにもかかわらず何の屋根もバリケードもない野ざらし状態で、池を囲う壁には厚く藻が生えている。

汚染の原因について中国青年報は、水源となっている河川へ、周辺のゴミ山をくぐり抜け流れ出た汚水が流出しているのが原因ではないかと報じている。

住民が蛇口をひねると、汚臭とともに灰色の水が流れ出る。小さな虫もしばしば確認できる。大紀元の取材に答えた地元保健局の担当者は、住民が隣県で水を購入していることを認知しており、しかも保険局職員でさえ、井戸水を使ったり自家用車で山へ水を汲みに行くという。

陳と名乗る水道局員は、原因は地元当局と国営水企業の契約にあると話す。契約内容には水質や水道運搬のパイプ、その他メンテナンスが含まれているが、管理に費用を掛けず、資金は不正に流用されているのではないかという。この契約は30年続くことになっている。

住民は「きれいな水を一口も飲めていないのに、水道料は誰に支払われたのか」と不満を訴える。「運営費をそのまま自分のポケットに入れたのではないか」と住民の不信感は広がる。

中国青年報によると、いくつかの改善策が計画されたが資金不足のために遂行されなかったという。この水質汚染の影響を受ける住民は6万5千人と推計されている。地元当局は大紀元の取材を拒否した。

(翻訳編集・ 佐渡 道世)
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