【大紀元日本7月7日】英金融大手HSBC銀行が2日に発表した中国6月製造業部門購買担当者景気指数(PMI、季節調整済)は5月の48.4から0.2ポイント低下して48.2となった。景況の改善と悪化の分かれ目である50を下回ったのは8カ月連続だ。
また、中国の景気減速が続くため、HSBC銀行は中国の第2四半期(4~6月期)国民総生産(GDP)成長率が8%台を割り込み、7.8%に低下すると見通しを示した。中国が4月に発表した第1四半期(1~3月期)のGDP成長率は8.1%で、3年ぶりの低水準となった。
同銀行チーフエコノミストの屈宏斌氏は、欧州債務危機により外需が低迷する中、人民銀行が6月に実施した利下げ政策が国内需要の改善をもたらせなかったため、中国経済成長は依然と減速し続け、国内雇用市場に一層の圧力を与えるとの見解を示した。
屈氏はまた、このほど消費者物価指数(CPI)の伸び率が縮小傾向にあり、インフレ圧力の緩和で中国政府が今後より金融緩和政策に転じるため、下半期の経済成長率は回復するだろうと予測する。
しかし、中国政府当局はHSBC銀行とは違う景況改善を示すPMIデータを公表した。国家統計局サービス業調査センターと中国物流および購買連合会が1日に発表した6月製造業PMIは50.2であった。
HSBC銀行の屈氏は、同銀行と中国政府が公表するPMI統計の違いについて、調査サンプル企業と季節調整方法の違いを示した。HSBC銀行は景気動向により敏感に反応する中国本土の中小製造業メーカーを対象に調査を行うが、中国政府当局は主に国営大手製造業メーカーを対象にしている。
一方、景気鈍化への対応として、人民銀行は5日、政策金利である貸出金利と預金金利の引き下げを発表した。同銀行は、1年物の貸出金利を0.31%引き下げて6%に、また預金金利を0.25%引き下げて3%にし、6日から実施すると示した。これは6月8日に続き、今年2度目の利下げとなった。