(Henry_Wang/Flickr)
【大紀元日本7月10日】中国不動産市場研究調査機構の中国指数研究院がこのほど発表したデータによると、政府当局が実施した不動産価格抑制政策の影響を受け不動産開発企業からの需要が減り、地方政府の主要収入源となっている土地譲渡金収入が引き続き減少している。同研究院によると、今年1~6月の全国300都市土地譲渡金総額は約6526億と、前年同期比で38%減少した。7月5日付中国証券報が報じた。
一方、不動産大手「鏈家地産」の市場研究部がまとめた調査によると、今年上半期の経済的重要都市(1線都市)である北京、上海、広州、深センの土地譲渡金総額はわずか440億元にとどまり、前年同期比で55.3%激減した。同調査によると、上半期における同4都市の土地譲渡成約済件数は367件、成約済建設用地面積は1567ヘクタール(1567万平方メートル)、平均土地価格は1平方メートル当たり1664元と、2010年以来最低水準となった。
財政不足 不動産価格抑制政策を微調整する地方政府が増加する見通し
土地譲渡金収入の減少とともに、地方政府にとって重要な不動産関連の税収入が減少している。財政部の統計によると、分譲住宅販売額の急減で、今年第1四半期(1~3月期)の不動産営業税は前年同期比で17.5%減少した。また5月には、不動産営業税総額が前年同期比で22億元減少し、減少幅が6.9%となった。
財源不足に頭を抱える地方政府にさらに追い打ちをかけているのが、地方債の償還圧力だ。今年3月、国家審計署は2012年には総額約1兆8400億元の地方債が満期を迎えると発表した。
土地関連収入に依存する地方政府がいかに債務を返済するかが注目される中、一部の地方政府はすでに、少しでも土地収入を増やすため、中央政府が実施する同抑制政策の微調整を行っている。
7月5日付中国証券報によると、今年上半期に少なくとも20の都市の市政府が同抑制政策の微調整について明確な指示を出した。指示の内容は、購入する1軒目住宅に関する基準の変更、土地譲渡金の支払い方法の変更、住宅購入補助金の給付や税金優遇、公的住宅積立金融資の限度額の引き上げなどが含まれている。昨年8月以来、このような微調整を行う都市はすでに40に上っている。
国内不動産専門家の間では今年下半期において、同抑制政策の微調整で不動産市場および土地需要はある程度にまで回復するが、中央政府の同抑制政策が依然続いており、昨年の水準に戻ることはないとの見方を示した。しかし、財源不足に悩み、同抑制政策の微調整に踏み切る地方政府がこれからも、さらに増加すると予測する。