【大紀元日本7月26日】香港の労働者権益団体「大学師生監察無良企業行動」は24日、ロンドン五輪のマスコットを受託生産する中国工場2社を調査し、報告書にて、従業員が過酷労働を強いられてると明かした。英BBCが報じた。
この調査は5~6月に、広東省東莞市と深圳市にある工場を対象に行われた。報告書によると、従業員らの給料は法定最低賃金であり、週6日間の勤務で毎日11~12時間に及ぶ長時間の労働を強いられており、頻繁に深夜残業があることなど、その劣悪な労働条件が明らかになった。
一方、従業員の労働環境は劣悪で、塗りの工程では十分な安全防護設備がないため、一部の従業員は自前のマスクを使用している。「ペンキの刺激的匂いで気分が悪くなった」「唾液にもペンキの色が滲んでいる」などの苦情が上がっている。
そのうえ、様々な罰則も設けられている。仕事中に居眠りした場合、2~4時間分の給料が罰金として引かれる。5分間でも遅刻すれば半日の給料が徴収される。帽子を被らなかった場合は60元(約700円)の罰金を科される。
また、勤務中の事故に備える保険の加入について、工場側からの説明がない。従業員は加入しているかは知らないという。
現時点までに、同五輪組織委員会は今回の調査報告書についてコメントしていない。
五輪マスコットの中国製造工場の労働搾取はこれまでにも取り上げられていた。英サン紙は1月19日、「オリンピックの奴隷」というタイトルの記事を掲載、五輪マスコットを製造している江蘇省の「塩城彩虹公司」の労働者搾取の状況を報じた。
(翻訳編集・叶子)