【大紀元日本8月10日】秋の党大会に向け、次期指導部の人事を協議する「北戴河会議」を目前にした3日、鉄道部前トッブの劉志軍氏の汚職に関する6つの罪状の内部通達がされたことが分かった。江沢民前主席の側近となる同氏の審理結果のこのタイミングでの発表は、胡錦濤主席による江沢民派への見せしめで、権力争いの一環であると中国問題専門家らは指摘する。
国内メディア・財新網によれば、通達には劉氏の金銭問題や政治問題、個人の品行問題などが並べられたという。中でももっとも重大なのは、山西省の企業家だった丁書苗氏に発注した30億元の鉄道建設プロジェクトにおける収賄問題だという。また、通達は劉氏が「多数の女性をもてあそんだ」としており、その中の3人は丁の紹介によるものと、2人が利用しあう実態を明らかにした。
劉志軍氏は2003年に鉄道部のトップに任命された。当時の江沢民主席が抜擢したとも言われている。全国の鉄道事業を統括する鉄道部は従来から江沢民派の支配下にあり、劉氏はその江派の有力人物となった。
江沢民派の勢力が弱まるにつれ、昨年2月、厳重な汚職問題を理由に、劉氏は鉄道部の共産党書記と部長を解任され、取り調べを受けた。同年7月23日に発生した温州高速鉄道の追突事故について、指導部は後に、劉氏を事故の主要責任者と結論づけ、今年5月、劉氏は共産党から除籍されていた。
(翻訳編集・叶子)