【大紀元日本8月23日】7月に中国江蘇省南京市や湖南省長沙市などの地方政府が大規模な景気刺激計画を発表、その後、直轄市の天津市と重慶市も、それぞれ地域の製造業を振興するために今後3~4年かけ、総額1兆5000億元(約18兆円)規模の投資計画を発表した。21日付「中国証券報」と「天津日報」が報じた。
報道によると、重慶市政府は今後3年間、地域内7つの重要産業に対して約1兆5000億元規模の投資計画を発表し、年間工業総生産を3兆元(約36兆円)に達成させる目標を挙げた。7つの重要産業のうち、特に電子情報産業に3000億元、自動車産業に2000億元、先進装備製造産業に2500億元、また総合化学産業に1500億元と明確な投資規模を示した。
一方、天津市経済および信息化委員会は同市の産業規模を拡大させ、商品構造を調節する狙いで、今後4年間、自動車産業、石油化学産業、宇宙航空産業、医薬および健康食品産業などを含む同地域の10の産業を重点的に発展させるため、1兆5000億元の投資計画を発表した。
しかし、長沙市など他の地方政府と同様、重慶市と天津市も投資資金の調達ルートなどを明らかにしなかった。2008年中央政府が主導した「4兆元景気刺激策」で、地方政府の債務残高が2010年末時点で10兆元余りに急増したにもかかわらず、現在新たな刺激計画は地方政府の財政負担を一層増大させ、負債額の拡大および債務不履行(デフォルト)リスクがさらに高まるのではないかとみられる。
特に重慶市に関しては、すでに失脚した薄熙来氏が同市共産党委員会書記在任期間中、同市の公共賃貸住宅の整備、都市化の拡大、雇用増加、大学の警備員配備などいわゆる「重慶モデル」を推進し、市政府が管轄する資産経営管理会社の「重慶渝富資産管理有限公司」を通じて大規模な公債を発行した。また、銀行からも巨額な融資を受けた結果、薄氏失脚後、重慶市の負債総額は5000億元(約6兆円)に上り、2011年度同市財政収入の5倍となったことが今年4月にわかった。米サウスカロライナ大学の謝田教授は「重慶市はすでに破産している」と指摘したことがある。