24日、ハルピン市で倒壊した陽明灘大橋の現場写真(ネット写真)
【大紀元日本8月31日】中国黒竜江省ハルピン市で24日に発生した8人死傷の高架橋崩落事故について、香港紙・苹果日報の関連報道は、事故直後の現場写真から事故原因を分析した。
写真に写った橋の断面から、多くの鉄筋は結束されていないことが確認できるという。また、破断したコンクリートには手抜き工事に多くみられる玉石や木片、現場作業時のガンニバッグ(麻袋)まで含まれており、工事のずさんさが浮き彫りになっている。さらに、コンクリートの橋梁には通常18ミリ級の異形鉄筋を使用するが、今回の現場では12ミリ鉄筋が使用されていることも土木専門家に指摘されている。
一方、2009年12月に着工した同高架橋は当初、3年間の工期を予定されていたが、2年弱の昨年11月に工期を切り上げての全面開通となった。「今回の建設は、わが国の厳寒地区における超大型高架橋の施工最高スピードを記録した」。25日付の国内紙・京華時報は当時の報道を引用して、同橋の建設がまるで「ロケットを搭載した」スピードで行われたと報じた。
専門家はこのような突貫工事に疑念を示している。工期の短縮は、設計段階の油断をもたらすほか、コンクリートの養生不足や手抜きにつながる危険性をはらむことになる。強度を保証するために長い期間を必要とするコンクリートの養生は、中国の突貫工事で短縮されるケースが頻発しているという。
なお現在、事故原因はトラックの過積載だと当局は発表しており、設計・施工・監理を行った3つの企業もそれぞれ、「基準に従い厳格に実施した」と表明している。
中国では橋の崩壊事故が多発している。今年5月、湖南省で120メートルのアーチ橋が倒壊し、2人が死亡、4人が行方不明になるという事故が起きた。後日、橋には鉄筋がまったく使われていないことが判明したが、現地当局は船が橋脚に強く衝突したことを事故原因とし、欠陥を認めなかった。2009年12月、天津市津晋高速道路の料金所部分が倒壊し、6人が死亡、4人が負傷していた。その時も当局は施工不良を認めず、過積載による共振が倒壊の原因だと主張していた。