18大開催前、要職である中共中央弁公庁主任に習近平の盟友・栗戦書氏が任命された(ネット写真)
【大紀元日本9月3日】18大開会前、習近平国家副主席の盟友とされる62歳の栗戦書氏(元貴州省トップ)が9月1日、要職の中共中央弁公庁主任に任命された。同時に、胡錦濤総書記の腹心であり、現中共中央弁公庁の令計划主任がその役を降ろされ、統戦部部長を兼任することになった。新華社通信などが伝えた。
中共中央弁公庁は、中共中央のあらゆる事務を司る中共中央の中枢機関であり、それを支配する主任は中共のトップ(総書記など)にもっとも近い存在。その日常生活から政務に至るまでを管轄するばかりではなく、中央警備局の軍隊を動員できる特権も握っていて、一般的に中共のトップ(総書記など)の「知恵袋」と見なされている。毛沢東の時代から今までその状況は変わっていない。したがって、新任の栗氏は次期の中共総書記になる習副主席のもっとも信頼する盟友と推測されている。
2010年8月21日、胡総書記と親密な関係を持つ中央組織部沈躍躍副部長が、「貴州指導者幹部大会」で胡総書記に、栗氏を「早くして指導者になり、経験が豊富で、大局を把握し、複雑な問題を処理する能力が強い」などと推薦した。栗氏は貴州省トップとなった後、その恩返しとして「胡氏を総書記とした党中央と完全一致の立場を保つ」と、胡総書記に忠誠心を明らかに表した。
栗氏と習副主席との関係について不明であるが、80年代に二人が同時に河北省の県の書記を務めた経緯があり、その間に知り合いとなり、信頼関係を築いたものと思われる。そして、2011年5月、習副主席が貴州省を視察した4日間、栗書記は絶えず行動を共にし、個人的にじっくりと突っ込んだ話し合いができたという。
一方、18大開会前に、令氏が中共中央弁公庁主任の職を更迭されたのはきわめて異例のことだが、令氏は一カ月前から息子の乱れた私生活などにより、今後、降職されるだろうという噂が飛び交っていた。また令氏は、中共中央弁公庁副主任、主任を17年も務めた経歴があり、胡総書記の「知恵袋」であるだけに、今後の昇進は間違いないと思われる。
中共中央弁公庁主任を務めた者のほとんどは、のちに中共中央政治局常務委員になるのが慣例となっている。この慣例がすぐに実現できなくとも、今の「統戦部部長を兼任する」という文言は、55歳の令氏が18大で政治局委員入りなど他の重役を担うことを匂わせている見ても、読みすぎではないだろう。