机を背負って登校(ネット写真)
【大紀元日本9月7日】1日から中国で新学期が始まった。湖北省麻城市順河鎮で机と椅子を持参して登校する親子の姿があった。同鎮の小中学校には5000人以上の児童・生徒が在籍しているが、学校側が用意する机と椅子は約2000組のみ。足りない分は各家庭が用意することになっている。
8月末、子供をもつ村の親は勉強机の準備に追われる。親戚や近所の人から借りたり、自分が20年前に使っていた古い机を引っ張り出したりしている。実は多くの親、祖父母世代も、同じように机持参で授業していたという。
教室に並んだ机は大小さまざまで、寄贈品に見える。しかし、どれも年季が入っているものばかり。
勉強机を用意できなかった家族は、家庭用テーブルを子供に持たせている。さらに、忙しいのは親だけでなく、校長先生も忙しい。出稼ぎに出ている親に頼まれ、その子供たちの机を何とかして準備しなくてはならないからだ。
机を運ぶ時も、親が出稼ぎでいない子供は、年老いた祖父母が机を学校まで運んでいる。
学校に机を持参させたくない親は、私立の小中学校に通わせるという選択もある。しかし、学費が毎年1~2万元(約13~26万円)と非常に高く、多くの農村の家庭が負担できる額ではない。
ある子供の祖父は、「生きているうちに、子供たちが机を持ち込まなくていい日が来るのを見られたら」と嘆いた。
(翻訳編集・池葉 笑子)