【大紀元日本9月17日】米国議員やジャーナリスト、医療関係者は12日、中国の臓器奪取問題「臓器狩り」について議会公聴会を開いた。専門家は対象となって殺害された法輪功学習者は6万人を数えると述べた。参加者は米国市民に対して、中国で同様の手術を行う場合、人道犯罪が絡む可能性を警告した。
公聴会のなかで、中国共産党が臓器奪取の目的で何万人もの囚人を殺害している可能性について「もしこれが真実ならば『人道に反する罪』では表現できないほど邪悪極まりないことだ」とクリス・スミス米国下院議員は述べた。同氏は、その犠牲者は不当に囚われた少数民族や禁止された気功・法輪功の学習者であることについて触れた。
中国当局は、死刑囚の臓器を移植手術に利用したことを認めており、またその利用は5年以内に減少させることも約束している。しかし、臓器収集のために故意に囚人を処刑したことは否定している。
公聴会に参加した「強制臓器移植に反対する医師会」のスポークスマンであるデーモン・ノト博士は、伝統的な観念として中国では臓器提供に賛成する人は極めて少ないと指摘。また、中国は死刑執行者数および臓器移植件数を公表していないが、専門家は毎年2000~8000人が処刑され、約1万件の臓器移植が行われていると算出していることを紹介した。
「たとえ1年に1万回手術を行ったとしても、まだ矛盾がある。1万人のドナーに対して1万回の移植手術が行えるはずがないからだ」
臓器移植手術はきわめて限定された時間の中でしか行うことができない。心臓の場合は、8時間以内の手術が必要となる。そのため、「中国当局は臓器奪取のため計画的に囚人を処刑しているのではないか」と同氏は続けた。また、軟禁された法輪功学習者が期間中、何度も身体検査や診断を受けるということに言及、「法輪功への迫害は1999年に始まり、移植件数の増加時期と一致し、これまでで6万人が臓器のために処刑されたのではないか」と分析した。
臓器狩り問題は2006年、人権派弁護士デービッド・マタス氏と元外交官デービッド・キルガー氏による独自調査報告書「戦慄の臓器狩り」にて初めて公にされた。中国当局は2009年、囚人に対して臓器提供の意思があるかどうかの署名を行っていると回答している。