オバマ大統領、安保を理由に拒否権 中国企業の風力発電所買収を差し止め

2012/10/01 更新: 2012/10/01

ノースダコタ州の風力発電設備(Germain MOYON/AFP)

【大紀元日本10月1日】オバマ大統領は9月28日、安全保障上の懸念を理由に、中国企業による風力発電関連企業4社の買収を認めないとする大統領権限を行使した。CNNが報じた。

買収が差し止められた中国企業は、中国建機大手・三一集団の米国子会社ロールズ・コーポレーション。買収対象となる4社の所在地はすべて、オレゴン州の米軍事施設の周辺にある。同施設は米海軍の電子作戦機を訓練・測定する主な拠点だという。

米大統領が安全保障を理由に企業間の取引きを阻止したのは20数年ぶりだ。前回は1990年、当時のジョージ・ブッシュ大統領が中国企業による米宇宙航空技術企業に対する買収を停止させていた。

ロールズ・コーポレーションの弁護士は、同じ地区ですでに多くの風力発電所が稼働していることを理由に、大統領令に理由が欠如していると反発している。同社が今後、法的手段を取り訴訟を起こすとしているが、米財務省は、大統領の決定は再び審議対象にはならないと強調している。

オバマ政権は対中貿易で強硬な姿勢を示している。9月中旬、中国が輸出自動車や関連部品に補助金を発給することに対し、世界貿易機関(WTO)に提訴したばかりだ。

(翻訳編集・坂本了)
関連特集: