【大紀元日本10月22日】国の急速な経済発展に押され、中国人は巨大な重りを背負っている。最新の調査によると、中国は、対象となった80の国と地域で、「ストレスを受けている」と労働者が答えた数が世界で最も多い国であることがわかった。しかも75%の人が、昨年よりもより悪化したと答えたという。
コンサルティング会社Regusがこのたび発表したデータによると、そのストレスは仕事、個人の経済問題、および上司の3つに由来するという。
北京大学社会学教授・夏学ルアン※氏は、先進国は資本主義の誕生から500年の歳月を経て発展を遂げてきたが、中国はその10倍の速さでそれを経験した。先人が背負ったストレスの10倍を受けていると説く。「国の社会保障制度も不完全で、個人の負担はさらに大きい。多くの中国人が生計に苦労している。しかも葬儀や墓地も高く、『死んでも現実から逃れられない』などと揶揄されている」と付け加えた。
さらに、共産主義の「闘争の教育」と、伝統的な価値観である「家族に成功を勝ち取ってくること」などが教え込まれ、個人の苦悩は増しているという。
中国科学院の臨床心理専門家・李新影氏は、「中国はまだ精神科医や相談所を訪ねる習慣が培われていない。そのため怒りに対して、ただ寡黙になるか、あるいは爆発させるかに分かれる」と話した。
また報道によると、中国の労働者の8割以上が時間外にも働くことがわかっている。中国国営「中国の声」は、有給休暇を楽しんでいるのは10人中3人の割合で、世界でも低い割合になっている。医療情報誌「ランセット(Lancet)」によるとおよそ10人中1人に何らかの精神障害があり、およそ2600万人が鬱や慢性的な不安感で苦しんでいるという。自殺者数も多く、11万人が毎年自殺すると推計されている。
※「変」の下が夊ではなく金