「処罰が重過ぎる」 官製メディア、共産党体制批判の村幹部を擁護か

2012/10/23 更新: 2012/10/23

官製メディアを使って、薄・周(江派)への攻撃の手を緩めない!(合成写真)

【大紀元日本10月23日】インターネットで中国共産党の政治体制と重慶市元トップの薄氏を批判したため、重慶市当局から2年間の強制労働収容所への収監を宣告されていた同市元村幹部・任建宇さんをめぐる案件について、このほど、主要官製メディアが一斉に報道し、処罰が重すぎるなどと異例な批判を繰り広げた。

任さんは中国のSNS「QQ空間」とミニブログ(微博)で時事評論を掲載・転載していた。当時の重慶市トップの薄氏について、文化大革命を復活させようとしていると批判した。昨年9月、任さんは同市当局から「国家政権転覆を煽動する罪」で2年間の強制労働収容所収監を言い渡された。任さんと家族はその後上訴し、収監決定の撤回を求めた。今月10日、上訴審が同市中級人民法院(地裁)で行われた。

今回の上訴審に、複数の官製メディアが強い関心を示した。共産党機関紙の人民日報のウエブ版・人民網やその傘下の環球時報、北京市政府系地方紙・北京日報や有力紙・新京報などのメディアは異例とも思える報道で、2年間の収監処分は重すぎると口を揃えた。

その中でも、環球時報は「歓迎されない言論を罰するのは、20世紀以前に一部の国で流行っていた政治的伝統だが、すでに時代遅れだ。今日の言論自由と法治に背反している」と綴り、「非常に憂慮すべきだ」と非難した。

ロイター通信は、今回の官製メディアの動きは特別だとし、「中国共産党政府管轄下の新聞社は、共産党統治の終焉を呼びかけた幹部への収監を公に非難した。一部の専門家は、この尋常ではない行動を、中国当局の言論自由緩和の兆しだと見ている」と報じた。

一方、官製メディアの論調は、任さんが批判した薄氏が失脚したことと関連すると見る専門家もいる。「メディアのこの声は、政治的対応であるに過ぎない。指導部が薄氏とその支持者を打撃し、薄氏を完全排除するための世論作りである」と政治評論家の張栗田氏は言う。

任さんの弁護士の浦志強氏は米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対し、任さんへの処罰は撤回される可能性があるとの見方を示した。

(翻訳編集・叶子)
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