【大紀元日本10月31日】温家宝首相一族の27億ドルの不正蓄財報道をめぐり、米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、北京駐在の外国メディア各社に、温一族を告発する資料が送られていたことを明かし、ニューヨーク・タイムズ紙は、それを単に公にしたに過ぎないとした。
VOA中国語報道部のベテラン編集者・宝申氏は自社駐北京記者の情報として、同社のネット配信の映像番組「VOA衛視」でこのことを伝えた。それによると、謎の告発資料は「分厚く」、温家宝一族の名前とその投資の詳細、会計監察機関の監察報告まで含まれていた。「これは用意周到だ」と氏は指摘した。
一方、ニューヨーク・タイムズ紙は(温蓄財の)同報道は10カ月の調査に基づいていると主張している。
国内外の中国問題専門家らは、蓄財報道のタイミングに興味を示している。薄煕来氏への厳正な法的処分を堅持する温首相に対し、薄氏をバックアップする中央政法委トップの周永康氏など、江沢民一派からの牽制である、との見方が根強い。
海外のメディアに対し政敵に不利な情報を流してダメージを加えるのは、中国指導部の内部権力闘争でよく使われる手法である。今年6月、ブルームバーグ社に習近平一族の蓄財情報が送られており、薄氏の失脚後、メディア戦がいっそう熾烈化している。海外在住の中国問題専門家・林子旭氏は「ニューヨーク・タイムズ紙の報道から読み取れるのは、江沢民一派は生死をかけて、胡・温政権に挑んでいる」と話した。
(翻訳編集・叶子)