デービッド・キルガー氏 中国政府の闇を暴くカナダ政府元高官 来日講演内容

2012/11/08 更新: 2012/11/08

デービッド・キルガー氏(大紀元)

【大紀元日本11月8日】10月25日から27日まで、カナダ政府元高官で人権活動家のデービッド・キルガー氏が再来日し、中国臓器狩り問題について関心躍起のために東京各地で会見や報告会を行った。今年71歳になるキルガー氏だが、日本を発った後、すぐに韓国入りし、同様に精力的に講演会などを開催。政府や民衆に臓器狩り問題への対応を訴え続けた。

キルガー氏の国会議員としての在任期間は26年で当時の最長記録。多大な支持を集めたキルガー氏は、国際問題として中国政府が主導する非道犯罪「臓器狩り」を捉え、そして一日も早くこの問題が解決することを願っている。

キルガー氏の講演内容は下記の通り。

ENDING ORGAN PILLAGING IN CHINA

-臓器狩りをする中国政府に挑む-

2012年10月25日~27日

デービッド・キルガー

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今回総理の座を去る温家宝氏は、中国の民主革命と法の支配の必要性を折りにふれて述べています。また最近、失脚した元重慶市トップ薄熙来氏の共産党常設委員会への昇進阻止にも、温氏は大きな役割を果たしました。 

薄氏の指導者である江沢民元国家主席は、1999年7月から続く法輪功に対する迫害を指揮した、歴史上凶悪な人道犯罪を犯した者の1人です。

日本やカナダを含む国際社会は、温氏および胡錦濤氏、国家主席に任命される習近平氏、総理に任命される李克強氏の率いる党派が、来月の共産党常任委員会の指名で、他の勢力(つまり江沢民、薄熙来、公安局トップの周永康、宣伝部担当の李長春〕より優勢であることを願ってやみません。

私は江沢民(中国語の音はジャン・ズーミン)をもじってジャン・ギャングと呼んでいます。尖閣諸島を巡る反日暴動の背後にも、彼らの関与が見え隠れします。ギャング達の行動は無論、中国人自身にも大きな利害をもたらしています。

法輪功

法輪功は身体と倫理(心)を高めようとする精神的修煉法です。それは仏教と道教、それに易しい動作を加えた、伝統的な形式を特徴としています。その中核的原理は、「真、善、忍」です。中国政府によると、1992年に始まった法輪功学習者の人数は、7年間で1億人に増えました。1999年初頭、共産党指導者の江沢民は、共産党員を含めたあらゆる階層の市民がマルクス・レーニン主義とは異なる信念を表す法輪功に否定的な態度を取りました。法輪功の動作はどこでも、一人でも団体でも、屋内外で行うことができます。これはつまり、共産党には統制できないということを意味しました。

中国共産党は、1999年7月から法輪功を残虐に弾圧してきました。拷問、強姦、撲殺、強制労働収容所での拘束、洗脳。これらの全てが、中国全土において多くの法輪功学習者の日常となりました。法輪功学習者たちは中国及び他の国々で、非暴力な方法で人間の尊厳を力強く弁護しました。

中国の風習としては、死者の臓器を提供することはめったにないため、1980年以降、中国では死刑受刑者の臓器を売ることはひとつの資金源になったと推測されています。「ドナー」が死刑受刑者であったかどうかが問題視されないために、法輪功学習者は、中国や、海外から移植ツアーに参加した患者にとって、一つの主な臓器提供バンクとなりました。

強制労働収容所

臓器狩りに関する最終報告書を作成する過程で、デービッド・マタスと私は何十もの国を訪れました。そこで、中国の強制労働収容所に送られた経験を持ち、中国から出国した法輪功学習者にインタビューを行いました。多くの人は1999年半ばに、何の審問もなしに警察の署名だけで収容所に送られていました。この制度はスターリン時代のロシアやヒトラーの第三帝国で作られ、1950年代に毛沢東によって模倣されたものです。

学習者たちは、わずかな食糧、雑魚寝、拷問といった劣悪な環境の中で、一日16時間無報酬で働かされました。彼らは多国籍企業の下請けとして輸出品を作っていました。これは著しい企業の責任欠如、WTO違反であり、中国の貿易相手国である全ての政府による対応が必要です。法の支配する国は法令によって強制労働を禁止するべきであり、それによって輸入業者が、品物が奴隷的苦役によって作られていないことを証明する義務を負うことになります。

共産党は審問も、控訴の機会もなしに、誰でも簡単に労働収容所に送ることができます。2005年の時点で中国全土の収容所の数は340、収容人数は35万人と推定されています。2007年に、アメリカ政府の報告書の推定によると、少なくとも収容者の半分以上は法輪功学習者であるとしています。そのような非人道的な行動が存続することを許したのは、一国一党主義支配と、何でもありの経済(状態)の組み合わせです。

法輪功学習者 陳応

法輪功学習者であり、後にフランス政府により難民と認定された陳応さんの経験を見てみましょう。

「法輪功への信念を捨てなかったため、私は何の司法手続きもないまま3回収監されました。その間、私は警察から虐待、拷問を受けました。2000年9月の終わり、私は名前を告げなかったので、警察に呼ばれ、病院に連れられて一連の身体検査を受けました。心臓、血液、目などです。私の足は鎖で繋がれ、窓枠に括り付けられたままでした。注射の後で、私の心臓は異常な鼓動のうち方を始めました。うつ度に、私は心臓が爆発するのではないか、と思いました・・・」

41,500件の臓器移植

デービッド・マタスと私の調査結果は「血の臓器狩り」という本に述べられていますが、2001年以降、何万人もの学習者が殺され、その臓器は中国及び外国の患者向けに売買されています。2000年から2005年だけでも、マタスと私は、法輪功学習者から手に入れたとしか説明できない臓器移植が41,500件あったという結論に達しています。この虐殺は今日も続いています。

私たちの本の結論は、「今日も不本意な法輪功学習者たちの臓器狩りが大規模に行われている。腎臓、肝臓、角膜、心臓といった重要器官が、自分たちの意に反して奪い取られている。それは、時には自国で、時には臓器提供を長い間待たなければならない外国人の患者らに高額で取引されている」ということです。

私たちの新しい報告書は18言語で書かれています。 www.david-kilgour.com

世界のイニシアチブ

中国や世界各国で多くの人による、この身の毛もよだつ犯罪を阻止する努力は何か影響を与えたのでしょうか? 私はその中で、いくつかのプラスの展開を申し上げます。

国連

2006年8月及び2007年1月、国連特別報告官は中国政府に対し、法輪功学習者が生きたまま臓器狩りされているという深刻な疑いに関して説明を求めました。この特別報告官は中国政府に対し、完全な説明があれば疑いの誤りを立証すると述べたのですが、意味のある答えは得られず、ひたすら疑いを否定するばかりでした、質問に対応しなかったことから、専門家たちは重大な問題の説明を求めました。中国の臓器移植手術の配給元はどこなのでしょうか?

人権審議会の第10セッションに提出された報告書の中で、拷問問題特別報告官マンフレッド・ノワク教授は「死刑受刑者及び法輪功学習者に関する新しい報告書が発表された」と強調しました。国連の拷問に関する委員会の独立専門家も、法輪功学習者に対する臓器狩りの問題について述べました。

「法輪功学習者が幅広く刑務所で拷問、虐待を受け、彼らのうちの一部は臓器移植に利用されている」

拷問に関する委員会では、次の勧告が出されました。「中国共産党は法輪功学習者が拷問を受けており、臓器移植に利用されているという疑いに対し、独立した調査を行い、あるいは依頼し、必要に応じそうした虐待の責任者を訴え、罰するべきである」

欧州連合議会

2006年9月、欧州連合(EU)は法輪功学習者の拘束と拷問を非難する決議を採択し、臓器狩りの報告に対する懸念を表明しました。この問題はフィンランドの外相ツオミオヤ(Tuomioja)がヘルシンキでのEU中国サミットで中国外相・李 肇星との二カ国間対話を通じ、EUのトロイカ指導により、取り上げられました。

米国

米国国務省は2012年5月に出版された2011年人権報告書の中で、海外及び国内のメディアや擁護団体が引き続き、特に法輪功学習者やウイグル人の臓器狩りの事例を報告していることを認めました。

2011年6月からDS-160様式のアメリカの非居住者用ビザ申請は申請者から以下の情報を要求しています。「あなたは人間の臓器もしくは組織の強制的移植に直接関わったことがありますか?」

この月の初め、米国議会の106人の議員が国務省に対し、中国における法輪功学習者や他の宗教、政治犯に対する臓器狩りの情報、また、2月にアメリカ領事館に一時保護され、その後に移送された王立軍・元重慶市副市長が渡した情報を公開するよう主張しました。

その書簡には一部次のように書かれています。「米国と世界中の医師は、申し立てられた非人道的な臓器調達方法と海外での臓器移植医学の悪弊にますます懸念を抱いている・・・王立軍はアメリカ領事館にいる間に、生きたままの法輪功学習者から臓器狩りを行ったという情報を暴露したとされている。その証拠を受け、それが明らかにされるならば、そのような忌まわしい悪弊を阻止する対策をとることができるはずだ。よって我々は、国務省が保持している中国の臓器狩りの悪弊と、王立軍が成都市の領事館に提供したいかなる文書をも公開することを要求する」

この書簡には、超党派106人の議員が署名しています。この書簡の全文はこちらで見ることができます。http://www.minghui.jp/2012/10/08/31051.html(明慧ネット日本語版)

王立軍は、臓器狩りに個人的にも関わっていました。彼は遼寧省錦州市で警察署長をしていた時に、臓器移植研究所を設立しました。研究所は供給元不明の臓器移植を何千件も行っていました。

この書簡はまた、9月12日に行われた「中国共産党の宗教及び政治的反体制派に対する臓器狩り」に関する議院公聴会について述べています。目撃者によると、中国の病院と医師は、大部分が生きたままの法輪功学習者ですが、その他にウイグル、チベット、中国国内のキリスト教徒からなる受刑者たちから強制的に臓器を摘出している、としています。

チャールズ・リー医師は、中国で3年間収監された法輪功学習者です。彼は、収監されている間になんの理由もなく採血されたと証言しています。この事例に世界は注目しなければならない、彼は他の何万人もの法輪功学習者たちのように被害者であったかもしれないのだ、と語りました。

中国における臓器移植(狩り)の調査者であり、「失われた新しい中国」の著者イーサン・ガットマン氏(Ethan Gutmann)は、8人の法輪功学習者に面接を行い、その氏名もありますが、これについて述べています。ガットマン氏よると、彼らは「著しく似ている」独特の医療検査を受けたといいます。通常、軍医が大量の採血、胸部レントゲンと尿検査を行いました。

台湾

2007年8月、台湾衛生局局長は台湾の医師に対し、患者が移植を目的として中国へ渡ることを提案しないようにと要請しました。

オーストラリア

2006年12月、オーストラリア保健省はプリンス・チャールズ及びプリンセス・アレクサンドラ病院において中国人医師に対する臓器移植技術のトレーニング・プログラムを中止しました。また、中国との臓器移植の共同研究プログラムを禁止することを発表しました。

中国

中国政府は今、受刑者からの臓器提供は不適切であると認めています。黄・衛生副大臣は2009年、死刑受刑者は臓器移植の提供元として明らかに適切ではない、と述べました。薄熙来が知事を務めていた地区は、法輪功の迫害と臓器狩りが中国で最も深刻な地区です。

カナダとベルギー

ベルギーのパトリック・ファンクルンケルスフェン上院議員(Patrik Vankrunkelsven)とジャニーヌ・ルデュック(Jeannine Leduc)は2006年、議会で臓器移植ツアーに対する法案を提出しました。ボリス・ブレゼスネブスキ元カナダ(MP)議員(Borys Wrzesnewskyj)は2008年、「臓器移植ツアー」を禁じる治外法権法を下院に提案しました。どちらの対策も、移植を受ける患者がドナーの同意がないことを知っていた、もしくは知っているはずだったのに、ドナーの同意なしで臓器を受け取った場合に罰を受けるというものです。

フランス

バレリー・ボイヤー(Valérie Boyer)と他の議員は2010年10月、カナダの法案と似た報告義務を規定した法律を提案しました。フランス市民で、海外で臓器移植を行った人は、臓器が無償で提供されたものであることを証明する書類を入手することが必要です。また、生体医学局は、臓器入手のための金銭のやり取りに関わったとされる妥当な根拠のある人物がいる場合、それを公共部に報告する必要があります。

イスラエル

2008年、イスラエルはイスラエル臓器移植法を通過し、臓器の売買と斡旋を禁止し、中国で臓器移植をするイスラエル国民に、健康保険制度から資金を提供することを停止しました。ジェイ・ラヴェエ(Jay Lavee)は「国の臓器」という最近の本への寄稿の中で、この法律は中国の臓器移植の悪用への対応であると説明しています。

ビジネス

製薬会社によっては、ノバルティスやファイザーのように、倫理的懸念から自発的に中国での治験を取りやめる会社もあります。しかしながら、まだこの分野では規則を敷く余地があります。

(アーン・シュヴァルツ(Arne Schwartz)はその本「国の臓器」のエッセイ、またデービッド・マタス弁護士がフィラデルフィアで行ったスピーチの中で、幅広い製薬会社による中国での抗拒絶反応薬の治験に関して詳細に語っています。)

残念ながら、そのような展開は中国全土で行われている殺人と臓器売買の阻止には至っていません。我々が(調査を)始めた頃から、死刑宣告を受けた人と処刑された人は全体的に劇的に減りましたが、臓器移植の件数は一時減っていたのに、また初期の段階にまで増えたのです。法輪功学習者以外の中国における臓器移植の主な供給源は死刑受刑者なのですが、それら供給源の数が減っているということは、法輪功学習者が供給源として増えたことを意味します。

勧告

中国で取引されている臓器に関して、マタスと私はあなたの知人、そして皆さん一人一人に、以下の勧告を考慮して頂くことを推奨します。

中国共産党に、以下の事項を主張して下さい。

 法輪功に対する抑圧をやめる

 受刑者からの臓器狩りを一切やめる

 臓器狩りとその取引から軍部を撤退させる

 合法的臓器移植制度を設立し、統制する

 国際的な調査のために、全ての強制労働収容所を含めた収容所を公開する

 高智晟(こう・ちせい)弁護士とその他の良心の囚人を釈放する

 受刑者からの臓器狩りがやめられるまで、以下の対策を実行する

* 人間の尊厳を尊重する、カナダを初め全ての国の医療従事者は、患者が臓器移植手術のために中国へ行くことを積極的に思いとどまらせる

* 何れの政府も、臓器もしくは身体の組織の移植トレーニングを望む中国の医師にビザを発給しないこと。中国以外の医師は、移植手術のトレーニングを行うために中国に行かないこと

* 中国以外の医学雑誌は、移植の経験について書かれた寄稿を却下すること

* 各国政府は、各地の製薬会社が移植手術にのみ使われる薬物を中国へ輸出することを禁止すること

日本の議会・政府は、他の国々が行ったことを実施することで、国際的な臓器移植の悪弊と戦うことが出来ます。それは、治外法権、移植ツアーの報告義務、海外での移植に対して健康保険の支払いをしない、それらに関係した人を入国させない、などが含まれます。

結論

全ての民主主義政府は、中国における臓器移植の悪弊を防ぐためのセーフガード(安全策)を敷かなければなりません。中国共産党が新しい常設委員会で議席を争う中、法輪功の禁止による悪弊を長引かせ、増大させた、そんな政治的問題に影響を及ぼすことができるこの今が特に絶好の機会なのです。日本の議会が人間の尊厳に対する懸念を明確に伝え、中国全土の国内及び国際的動きを支持することを期待しています。

世界中の私たちの声は今、この指導者の交替という移行期に、中国の未来に影響を与えることができます。それは中国国内で離れ離れとなった何百万人もの法輪功学習者とその家族のためだけではなく、日本と国際社会全体にとっても良いことなのです。私たちは法の支配を尊重し、人間の尊厳を大事にし、民主的政治を享受する中国とつきあって行きたいからです。

先にも述べましたが、どうやら指導者の闘争が尖閣諸島問題の背後の大きな理由としてあるようです。日本に対して愛国的なガス抜きをすることで、江沢民の一派は法輪功スキャンダルを市民から隠そうとしているのです。それを明らかにすることで、問題が少しでも早く落ち着いてくれることを望んでいます。

ご清聴ありがとうございました。

インターネットに自由にアクセスできる方でしたらどなたでも、中国全土の人間の尊厳の現状に関する最新の詳しい情報を下記の情報源から得ることができます。

Falun Gong: http://faluninfo.net

Human Rights in China: http://www.hrichina.org

Human Rights Watch: http://www.hrw.org

Amnesty International: http://www.amnesty.org

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