18大の記者会見でマイクを取るアンドレ・ユさん(ネット写真)
【大紀元日本11月20日】中国共産党大会の期間中、あるオーストラリアの女性記者が注目された。大会召集の公式記者会見で、外国メディアの記者が発言する機会は通常少ないが、この記者は例外的に多く質問することを許可された。しかもその内容は当局にとって都合の良い質問ばかり。事前の打ち合わせがあったのではないかと噂されている。
女性記者はアンドレ・ユさん、名字は中国語読み。フランスのRFIラジオは、「彼女の質問はみな、中国官製メディアのように、報道官にアピールするチャンスを与えている」と指摘。その一例として「中国政府はこれからどのような政策と計画を立て、オーストラリアと提携していくのか」などが挙げられている。
ユ記者は、本部をメルボルンに置くCAMGメディアに所属。同社は中国政府系「中国国際放送局」と業務提携しており、最高経営責任者は中国人。オーストラリア国内で同社は、中国メディアの番組の宣伝・売込みも積極的に行っているという。
米ABCテレビ駐中国記者のニール氏は、ユ記者の質問内容は中国人同僚が事前に書き留めたもので、当局の審査と許可を受けていることを明かした。「私もこんな任務を受けたくない」「自分が代表しているのは中豪合弁会社だから、望まれる質問をするしかない」とユ氏は本音を口にしたという。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「ユ記者は単なる共産党の助っ人ではない」「当局の幹部が正々堂々と外国記者の質問を受け入れいれているという事実に反する宣伝をし、実質上、共産党の自己宣伝の機会を作った。この意味では、ユ記者は世論を誤誘導したといえる」と、中国で記者活動をした経験のあるジャーナリストの言葉として、中国政府のしたたかさを批判した。
(翻訳編集・叶子)