今や世界第2のコメ輸入国になろうとしている中国 (AFP)
【大紀元日本12月11日】世界最大のコメ生産国である中国に重大な変化が起きている。最大のコメ消費国でもある中国の今年のコメ輸入量は、過去10カ月間で昨年同時期の4倍近い200万トン。わずか一年で、中国は世界第2位のコメ輸入国になるのではないかと米国農務省は推測している。
米国農務省の予測では、今年中国のコメ輸入量は昨年の4.5倍を超え、260万トンになると考えられており、ナイジェリアに次ぐ世界第2位のコメ輸入国になるとの見方がされている。
国内紙・燕趙都市報も、税関総署からの最新データにより今年の過去10カ月間、中国は198.28万トンのコメを輸入していると報じており、これは昨年同時期の50.5万トンの約4倍。中国はこれまでコメを自給してきたが、2011年から状況が変わり始め、輸入量が急増し、純輸入国になったという。
また、中国が実際輸入しているコメの量は税関のデータからかけ離れている可能性も指摘されている。それは大量の密輸米の存在が考えられるからだ。中国糧油報によると、ベトナムの農業・農村開発省の統計では、2012年上半期にベトナムが中国に対し輸出したコメは120万トン。しかし中国税関が公表したベトナムからの輸入量は81万トンとあり、ベトナムが公表したデータに比べ40万トン近い差がある。
中国のコメ輸入量の激増について、稲専門家の張露氏は燕趙都市報の取材に対して、価格差が直接的原因であるとコメントしている。同氏はまた、国内米よりも廉価な輸入米が大量に入ったため、国内のコメ栽培が減少していくことを憂慮している。
スタンダードチャータード銀行が最近発表した報告では、さらに深い原因を分析している。中国の都市化加速に伴い、労働力や水資源コストが上昇し、一方、利用できる耕地資源が減少。食糧の減産は必然だと指摘している。
中国当局は、中国は2011年からすでに小麦、コメ、トウモロコシなどの農産品の純輸入国になっていると発表しており、今年輸入される食糧総量は6千万トンを超えると予想している。世界で輸出されている大豆の半分は中国に運ばれており、今後、どのように耕地の保護や農業生産力を向上させていくかが重要な問題となっている。