カンフーの達人、ならず者を撃退=河北省

2012/12/12 更新: 2012/12/12

【大紀元日本12月12日】中国河北省覇州市城六村で先日起きた、村民による撃退劇が注目を集めている。強制土地収用目的で恫喝に来た30人余りのならず者から家と家を守るため、村民の沈建中さんは息子と共に得意技のカンフーで反撃。見事、撃退した。

沈さん自身は撃退後、ビデオ撮影した。そこには、打ちのめされたならず者数人と、手を出せずにおののく10数人がカメラを睨む様子が写っている。ビデオはポータルサイト新浪で公開され、再生回数は200万回を超えた。

英紙デイリー・テレグラフの取材に答えた沈さんらの説明によると、村幹部・許少英氏は土地開発業者と共謀し、合法手続きなしで村人に住宅の強制取り壊しを強要したという。同意しない人は脅迫を受け、さらに雇われのならず者にレンガなどが投げられ家の窓ガラスやドアを蹴られたり、罵倒されるなど数々の悪質な嫌がらせを受けていた。

10月29日午後4時頃、村幹部と土地開発商は身分不明のならず者約30人ほど集め、沈さんが同意書に署名するよう強制した。沈さんがこれを断ると、ならず者達は沈さん宅に一斉に押し入り、沈さんの妻を床に押さえつけ殴打した。

ここで、沈さんと息子は武術を習っていたため囲ってきたチンピラ達を逆に撃退した。7人ほど地面に倒れ、他は庭に逃げ出た。「自己防衛手段だった。どんなカンフー技を使ったか覚えていない」とインタビューで沈さんは答えている。

沈さんの妻は警察通報したが、1カ月後の18大が終わってから処理すると言われ、沈さんはその話を聞き処理を待った。

しかし次の2日間、50人以上のチンピラが集まり沈さん家族が外出できないように家を囲み、交差点にも見張りが置かれた。沈さんによると、警察に通報しても、「彼ら(ならず者)がどこにいようと彼らの権利だ」と言われ取り合ってもらえなかったという。身の安全を心配した沈さん一家は「もう怖くて2日くらい外に出ていない。彼らは私たちの生活と安全を脅かしている。この社会にいる正義感のある人達、私たちを助けてくれるよう、ここで土下座をしてお願いする」という助けのメッセージを出し、31日の夜、チンピラからの復讐を恐れた家族は北京へ逃げた。

地元警察は家に侵入した家族を守るどころか、ならず者に怪我を負わせたと沈さんを責め、逮捕すると言い放った。家族が北京へ逃げた後、沈さんの息子は逮捕された。

沈さんは取材で、自分の行動に対し後悔していないが、結果的に息子がそれによって危険な目に遭うのではないかと心配している。「当局は息子にいくつかのでっち上げの犯罪をなすりつけ、私を脅迫し、同意書に署名させようとするだろう」と語った。

 (翻訳編集・池葉 笑子)
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