【大紀元日本12月13日】北京で長年ビジネスコンサルティングに携わり、『失去新中国(新中国を失う)』の著者イーサン・ガットマン(Ethan Gutmann)は今年9月12日、米国下院外交委員会で開かれた「中国共産党が宗教信仰者と政治異見者の臓器を摘出」というテーマの公聴会で、証人として陳述を行った。同氏は昨年12月5日付の米保守系政治週刊誌The Weekly Standardにおいても、中国の臓器狩りの実態を詳細に暴露している。以下はその全文の和訳の第五部である。
第五部 伊寧市看護婦:軍病院が抗議参加者の腎臓を売り飛ばす
私は1人のウイグル人看護婦にヨーロッパで出会った。彼女は伊寧市で起きたウイグル人抗議事件当時、同市の大病院に勤めていた。彼女は情報提供に非常に緊張しており、自分の個人情報を明かさないよう再三要求していた。そして、次の情報を話してくれた。
そのとき、病院はウイグル人抗議者への手当てを禁止していた。該当の負傷者に包帯を巻いた医師には15年の懲役刑、救急治療を行ったもう一人の医師には懲役刑20年が科せられた。病院関係者は、「もし治療を施したら、その処遇も彼らと同じだ」との警告を受けた。それにより、現場の漢族とウイグル族の医療関係者の間の隔たりが急激に深まった。
漢族の医師は薬局の鍵を保管しており、ウイグル人医師は自由に出入りできない。また、ウイグル人患者に処方する薬の量は通常の半分に制限されている。ウイグル族には第二子の出産は法律で許可されているが、この看護婦曰く、産婦人科の漢族の医師はよくそのような乳児に「抗生物質」を注射する。彼女が知る限りでは、漢族の乳児にはこのようなことはない。注射を受けた乳児は往々にして3点xun_ネ内に全身が紫色となり亡くなる。その場合、通常では漢族の医師はウイグル人の母親にこう説明する、「あなたの乳児は弱すぎて、薬に耐えられなかった」、と。
伊寧事件の直後、1人のウイグル人若者の遺体が軍の病院から自宅に戻された。しかし、腹部が縫合された傷口に疑念をもったウイグル人らは新たな抗議を起こした。それ以降遺体はすべて包まれ、死刑処刑所内に埋められるようになった。漢族の兵士がその現場を厳しく警備している。このような遺体埋蔵地はウルムチ市空港の近くにもある。
6月、この看護婦は新たな事案に出くわした。逮捕後拷問を受けた1人のウイグル人抗議者だが、家族は大金を払って彼を連れ戻した。後に抗議者の腎臓が拷問により激しく損傷していることが判明した。ウルムチ市のある漢族の軍病院での診察を薦められた家族は、医師から「腎臓一個は3万元(約4700ドル)」と移植を提案された。ドナーは21歳のウイグル人男性であり、「絶対に健康だ」とも説明された。後にこの看護婦が知ったのは、このドナーもまた抗議の参加者だった。
(続く)