【大紀元日本12月15日】習近平総書記が就任後初の地方視察として7~11日まで広東省を訪れ、国営新華社通信などの政府系メディアも、習氏の訪問は「親民務実(人民に親しみ実務に励む)」だと大々的に宣伝。だが、香港メディアはこの報道は事実に即していないと報じている。
香港紙・明報12日の報道は現地住民の話として、習氏が同省広州市の東濠涌に到着する前、付近の交通区間は進入禁止となり、暴動防止の警察が巡回していたと伝えている。
さらに、習氏と握手し言葉を交わした大部分の人は町会事務所の幹部だったという。当日、付近の商店はすべて閉められ、警察が住民の住居に入り外を監視していた。東濠涌高架橋も一時的に封鎖され、付近の交通が渋滞し、住民らは迂回を余儀なくされた。
今回の保安は昨年の胡錦濤主席の訪問時より更に厳しいという警察の話も伝えられている。また、あるネットユーザーは習氏の警備体制のせいで自分の外出がひどく不便になったと呟いている。「黄文頭」というユーザーは指導者の視察は通勤ラッシュのピークが過ぎた後に来てほしいものだとコメントしている。
今回の訪問では珍しくマスコミの為に取材区が手配され、記者が習を間近で取材できるようにさせていた。ただ、習は記者からの質問には一切答えず、手を振り微笑んでいるだけだったという。
一方、新華社11日付の報道では、習氏が同省深セン市を視察した際、150キロ以上の行程にわたって「道路を封鎖せず」「居合わせた市民を追い払わず」「赤い絨毯を敷かず」「民衆の中に身を置いた」と報じられている。
報道はさらに、現地市民がネット上で今回の習総書記の訪問について、「本当に住民に迷惑をかけなかった」と評価していることや、「人民の中にいるのは最も安全だ」とコメントしていることなどを伝えている。香港紙の報道との間に大きなギャップがある。