【大紀元日本1月4日】正月早々、オーストラリアのスーパーや薬局の店頭から粉ミルクが消えている。その行方は、正月休みに訪れた中国人観光客のトランクのようだ。英BBC放送が報じた。
オーストラリアで人気の粉ミルク・カリケアを製造するニュートリシア社は、同社製品への需要が急増し、店頭のみならず、在庫も急減していることを明らかにした。
同製品を販売する大手スーパーマーケットのコールスも品切れが相次ぎ、急きょ緊急手配を行っているという。また、一部の薬局では購買量の制限が設けられている。
シドニー中心部の薬局経営者は地元メディアの取材に対して、中国人観光客が粉ミルクを大量に買い込み、「トランクが閉まらないほど」いっぱい詰め込んでいると話した。
粉ミルクを購入するのは観光客にとどまらない。一部の中国系住民も粉ミルクを買いあさっている。彼らは粉ミルクを中国に送るか、インターネット販売で利益を稼ぎ出しているという。
ニュートリシア社は今回の需要急増の理由についてコメントを控えているが、今年中、同製品の生産量を5割増にすると意気込んでいる。
中国では2008年、化学物質メラミンが混入した粉ミルクを飲用した多くの乳幼児が健康被害を受けたという「毒粉ミルク事件」が発生し、国民の中でまだ尾を引いている。
(翻訳編集・余靜)