【大紀元日本1月11日】北京、長沙などの市で最近、ホームレスの防寒具が、市のイメージに悪影響を与えるとの理由で、警察や都市管理局の職員に取り上げられる事件が相次いでいる。防寒具はポランテリアが支援の一環として寄付したもの。中国国内メディアが報じた。
それによると、北京市では50人以上の政府職員が5日午後、市内永定門のバス停近くで生活するホームレスの所持品を奪ったという。
ホームレスの支援活動に関わっている社会学者の于建嶸氏は自身のミニブログで「ホームレスに配った新しい布団、コート、靴下などの物資が奪われた」と書き込み、「大勢が車で衣類を持ち去った。誰かが責任を取るべきだ。もし彼らに生活する場を与えられないのなら、せめて安心した路上生活をさせてください」と怒りをあらわにした。
ここで2年ほど住んでいるある女性ホームレスは、所持品を奪われるのは初めてではないと話した。ホームレスらは政府が運営する収容所に入所すれば、通常、出身地に強制送還される。出身地にはすでに身を寄せるところがないため、北京に留まることを選ぶ人がほとんどだ。
北京市当局は、陳情のため上京し、そのまま市内に留まり、ホームレスになった人が多く、彼らがバス停付近の通路で生活し、周辺の景観と衛生状況を悪化させているとコメントしている。また、ホームレスをほかの場所へ移動し、残されたごみを処理しただけで、防寒衣具等は奪っていないと報道内容を否定した。
(翻訳編集・池葉笑子)