【大紀元日本1月12日】中国の改革派紙・南方週末の新年祝辞がすり替えられた事件は、江沢民氏を中心とする保守派が習近平新政権に仕掛けた一撃であるとの見方が浸透している。
香港紙・明報は事件発生の背景について疑問を呈した。習政権発足後、中国の政治環境がある程度緩和された中、なぜ、改革の最前線にいる広東省で「このような冷たい風が吹いたのか」とつづった。
香港の信報も同様な問題を指摘。中国で最近起きている事件は、時には最も保守的な部分、時には最も革新的な一面を覗かせているため、現政権の実像が明確ではないとしている。
一方、香港の蘋果日報の9日の長編報道は事件の核心に切り込んだ。同紙は北京在住の政治学者・呉稼祥氏の見解を引用し、当局の矛盾した態度について、「実際には2つの権力体制が作用しているからだ」と指摘。保守派主導の宣伝部が、改革を掲げる習政権の執政を妨害しているという。この事件は新政権発足後の両派の「第一ラウンドの戦い」であろうとも評した。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が9日に掲載した、米国クレアモント・マッケナ大学政治学教授、米国系華人の裴敏欣氏の評論も同様の見方を示した。「そのうち、習総書記がある事実に気づくかもしれない。つまり彼の真の敵は、革新と自由を求める人々ではなく、指導部内部の『仲間』である」
こういった中、習陣営も攻勢を強めているようだ。10日朝、指導部は薄煕来らの重大紀律違反、重大違法案件を「司法機関に移管して法に基づいて処理する」と再び伝え、四川省共産党委員会の李春城・副書記も取り調べを受けていることを強調した。同省省長である蒋巨峰氏も5日に失脚しており、蒋・李2人とも江沢民一派の重鎮で、中央政法委の前トップ周永康氏の腹心であり、周一族の汚職に関与したとも伝えられている。
このタイミングでのこれらの動きは、周氏の勢力を排除し、江沢民一派に警告を発していると見られる。