スモッグでかすむ北京(poeloq/flickr)
【大紀元日本2月7日】中国国家気象局は5日、北京では1月中26日間もの間スモッグ発生が観測されたと発表した。「北京咳」と呼ばれる奇病も現れるなど、中国の大気汚染は深刻化する一方だ。この問題について、環境対策より利益を優先させた石油大手2社の経営姿勢に問題があるとフランス国営ラジオRFIは報じている。
車の排気ガスは大気汚染の原因の一つとされている。現在、中国で使用されているガソリンに含まれる硫黄分は欧州や日本の基準値より15倍も高い。硫黄分の除去には膨大な投資が必要なため、ガソリン生産の主要メーカーである中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工集団(シノペック)はいままで消極的な姿勢を取ってきた。
低品質のガソリンが問題視される中、シノペックの傅成玉社長は1月31日、「企業に責任があるのではなく、国の基準が低いから」と発言し、市民から非難を浴びた。
また石油業界の出身者は長年、共産党最高指導部である政治局常務委員会入りを果たしている。現指導部の張高麗委員はシノペック出身であり、前常務委員の周永康氏もCNPCの社長だった。石油業界に巨大な利権が渦巻いている。
中央と利権関係にある石油業界は、環境保護部を格下のように扱い、環境対策が制定されても実行しない。
RFIは中国国家行政学院教授の汪玉凱氏の話として、環境対策を妨げているこのエネルギー2大国有企業の勢力を制限するべきだと指摘している。
(翻訳編集・余靜)