香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストからのスクリーンショット
【大紀元日本3月14日】香港の人々は、「英国」だった頃に帰りたがっている。香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストが12日、香港特別区のユーザーに向けて同社ウェブサイトで投票を行ったところ、9割以上が英国統治下に戻ることに賛成との結果が出た。人権活動家への弾圧や親中派の梁振英行政長官の舵取りなど、共産党の影響下が強い統治を忌避する傾向が香港市民の間でますます深まっていることが示された。
同紙は12日昼、「香港人は英国領に戻ることに一票を投じるか」という質問を開始した。13日昼には、「はい」と回答したものが90%を超えた。
この投票結果に対して、香港以外の人々も交えて盛んにネットで議論が起こっている。「香港市民は、大陸の食べ物がいかに危険か、報道の自由がないか、梁振英が共産党の操り人形であるか等よく知っている」「このままでは将来、民主主義が奪われ、大陸内の他の地区と同じになることを非常に恐れている」「1949年、恐ろしき共産党が中国を強奪した。清の時代の母なる中国に戻れたらいいのに。いつ中国は自由になれるのだろう?」
自由主義を好む香港市民が、自由のない本土を嫌悪する事件は後を絶たない。12日、香港メディアの記者とカメラマン4人が北京で人権活動家の妻・劉霞氏を取材中、身元不詳の複数の男に囲まれ殴る蹴るの暴行を受けた。香港政府は事件に懸念を表明したが、暴行を加えた男たちが当局関係者であることを否定した。劉霞氏を支える民主活動家・胡佳氏は同日夜、自身のツイッタ―で、男らは地元の公安から指示されたものだと訴えた。
香港では大型デモも多い。今年1月1日、親中派の香港政府トップ・梁振英行政長官の辞任を求めるデモが行われ、約13万人(主催者発表)が参加した。また、昨年夏には共産党理念に基づいた愛国心の育成を目的とした科目「道徳・国民教育科」の小中学校導入に反対するデモが行われ、炎天下にも係わらず少なくとも9万人(主催者発表)が参加した。保護者から「教育を隠れ蓑にした洗脳だ」と批判の声があがった。
デモの中で、英国統治下の香港の旗がしばしば登場した。香港メディアによると、旗は北京からの圧政に対する抗議の象徴として、若者に受け入れられているという。