【大紀元日本3月15日】上海市の飲用水の水源である黄浦江から回収されたブタの死骸は14日までについに7550頭に達した。同市当局が「飲用水の水質に影響なし」と説明している中、国内養豚業ではブタに抗生物質と発がん性物質を濫用しているとの調査結果が出ており、「毒だらけのブタだ」と指摘されている。
国内人気情報サイトの「財経ネット」は11日、米中の共同研究チームによる国内養豚場への調査結果を報じた。同チームは北京、福建省莆田地区、浙江省嘉興地区(今回のブタ死骸の投棄場所)にある3つの1万頭以上の大型養豚場を調べた結果、計149種類の薬剤耐性遺伝子が検出された。その内の63種類の濃度は原生林の土壌の耐性遺伝子含有量の100倍~3万倍に達する。
薬剤耐性遺伝子が大量に発生する原因について、同研究チームは、ブタへの抗生物質の濫用だと指摘した。「病気のないブタにも抗生物質を、病気のブタにはさらに多種の抗生物質を投与することが原因」
耐性遺伝子は遺伝子が突然変異を起こし進化したものである。大量かつ長期にわたって抗生物質を摂取すれば、その突然変異が加速化する。
養豚場から大量の薬剤耐性菌がブタのし尿を介して外部に拡散すれば、人体に健康危害をもたらす多剤耐性菌を生み出す恐れがあると専門家は危惧している。
一方、ブタの色艶をよくするため、毒性の強いヒ素を投与する養豚業者も少なくないと、同研究チームは報告した。
「こうして育ったブタの体中は毒だらけ」と指摘する専門家。ブタの感染症が非常に蔓延しやすい状況が作られ、今回のブタ大量死は、大規模なブタ感染症による結果ではないかと示唆した。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が投棄場所・浙江省嘉興市の現地住民の証言を伝えた。それによれば、昨年12月から今年2月にかけて現地の養豚場で、感染症によりブタが大量に死亡し、一部の業者はその死骸を川に捨てたという。