【大紀元日本3月20日】米国連邦捜査局(FBI)はダレス空港で16日夜、北京行きの飛行機に搭乗予定だった元NASA研究員の中国人を逮捕した。NASAなど米国情報機関を担当する米下院議員が名指しで「中国のスパイ」と公開した直後のことだった。
米CBSテレビによると、捜査員は、「急に片道切符を手に中国へ戻ろうとしていた」中国籍のボー・ジャンに対し、申告していない電子機器を機内に持ち込もうとした容疑で、告訴状を提示し逮捕した。同容疑者は最近まで米航空宇宙局(NASA)の研究センターに勤めていた。
NASAなど米国情報機関を担当するフランク・ウルフ下院議員は7日、NASA研究機関の内通者の告発を踏まえ、ジャンの名前を伏せた上で記者会見を開いた。13日には、ウルフ氏がジャンを「中国のスパイ」として名前を広く公開し、同日、米連邦捜査局(FBI)も同氏に対し、武器輸出規制法違反に関する調査を開始した。その直後の15日、ジャン容疑者が中国に帰国する航空便を予約した。逮捕を恐れた容疑者が米国からの出国を試みようとしたと見られている。
ウルフ氏は19日にも記者会見を開き、同容疑者が扱っていたのは「人民解放軍にも転用できる情報技術を含んでいた」と主張した。また、他の中国人元研究員もNASA研究所で使用していた電子機器を持って中国へ戻ったとNASA関係者は述べているという。
会見でウルフ氏は、FBIのロバート・ミュラー長官は米国研究施設でのスパイ対策を「非常に重要」と位置づけ、不法活動と無許可の侵入から保護するため各必要組織にエージェントを手配した。また、ジャン容疑者の訴訟についてコメントしていないが、いくつかの類似事件は起きていると話したという。
NASAスポークスマンはジャン容疑者を名指ししてはいないが、「セキュリティ違反に関する対応は調査担当者に任せ、指摘を非常に厳粛に受け止める」と述べている。