アフリカ歴訪中の習主席、南アフリカで、3月26日(Photo/Getty Images)
【大紀元日本3月28日】アフリカ歴訪中の中国習近平・国家主席は、アフリカへの経済援助を約束しながら、「覇者にはならない」と平等な関係を築いていくことを繰り返して強調した。就任早々のアフリカ訪問で同地域の重視姿勢をアピールする一方、増加する中国の影響力を懸念する声を払拭する狙いがあるとみられる。
同主席は25日、訪問先のタンザニアのダルエスサラームで重要演説を行った際、このように言及した。また、今後2年間で計200億ドル(1兆9千億円)の融資を提供するとも発表した。
中国とアフリカの貿易額は昨年、2千億ドルに達し、10年前の20倍へと拡大した。中国からの輸出がメインとなっているうえ、アフリカからの輸出の8割強はエネルギー資源である。資源目当ての外交姿勢に批判の声が高まっている。
ナイジェリアのラミド・サヌシ中央銀行総裁は英フィナンシャル・タイムズ紙(12日付・アジア版)への寄稿記事で、「アフリカは愛中から目覚めよ」、「莫大な石油資源を輸出して、本来国内で生産すべき消費財を中国から輸入している」と台頭するアジアの新しい型の帝国主義に警鐘を鳴らしている。
ナイジェリアに限らず、アフリカのほぼ全土で資源外交を繰り広げ、インフラ建設にまい進する中国に対し、同氏は「自国から持ち込んだ機材と労働力で賄い、技術の移転をせず、現地の雇用にも結びつかない」、「アフリカが工業化せずに、低開発にあえいでいるのはそのせいだ」と中国企業の進出で現地が恩恵を受けていないと批判した。
さらに、アフリカの一部の独裁国家を支持することによって国際社会での影響力を強めるやり方に国際社会の非難の声が根強い。
日本国内では、「日本政府からODAを吸い上げながら、アフリカ諸国に注ぎ込み、『中国のアフリカ』を築き、味方を増やし国連での発言力を強めている」と他人のフンドシで相撲を取っているとの見方も少なくない。
習近平・国家主席は、3月25日~29日南アフリカを訪れ、「新興五カ国(BRICS)首脳会議」に出席、29日~30日にはコンゴ共和国を訪問する予定。