【大紀元日本4月12日】盲目の人権活動家・陳光誠氏は9日、昨年の出国劇に際し、当局は国内の家族の安全を確保すると約束したにもかかわらず、家族は迫害に苦しんでおり「状況はさらに悪化した」と米国下院議会外交小委員会で証言した。AFP通信などが報じた。
委員会での質問において、陳氏は、昨年4月から勾留されている甥の陳克貴氏への処遇について、怒りをあらわにした。陳克貴氏は当時、自宅に押しかけてきた公安からの暴行に包丁で対抗、地方共産党幹部ら3人に傷害を負わせた。陳光誠氏は「甥は自己防衛をしたに過ぎない」と主張している。
「中国政府は、一年前の約束を果たさないばかりか、家族への迫害は止まず、悪化した」「つまり中国共産党政権には方向性を変えることがないことを示す。国際社会を騙し続ける当局をこれ以上大目に見ることは出来ない」と党を明確に批判した。
迫害は甥にとどまらない。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジアによると、山東省の地方当局は克貴氏の4歳の息子を幼稚園から退園させようとしていた。親族へのインタビューで明らかになった。
また、家族が未だに迫害を受け続けることに対して、陳氏は米国政府に対し、当時の米国入国に関する中国政府との取引内容を公開するよう求めた。
陳氏は昨年4月、厳しい自宅監禁と監視を自力で脱出し、北京の米国大使館へ避難を求めた。脱出の際、怪我を負った陳氏は北京市の病院に入院。まもなくして訪米ビザが発行され、米国へ渡った。
現在は妻と2人の子供とともに、ニューヨーク市の大学寮で生活している。
陳氏は2005年、人工妊娠中絶や不妊手術治療を批判し、当局に対して訴訟を起こしたことで知られている。以来、監視対象となり逮捕や拘禁、自宅軟禁が数年続いた。当局が陳氏の監視に投じた費用は年間7億円ともいわれている。