【大紀元日本5月10日】北京市では8日午前10時頃から、安徽省出身の出稼ぎ労働者数千人が抗議集会を開き、デモ行進を遂行した。数日前に謎の死を遂げた同郷の20代女性について、警察当局の捜査姿勢に不満を持ち、死因の究明を求めるためだった。
3日の朝方、袁利亜さんは勤務先のショッピングセンター「京温商城」のビルから転落し死亡した。22歳の彼女は安徽省の出身で数年前に北京に出稼ぎにやってきた。その父親はガンを患い、働けなくなり、母親は農業に従事し僅かの収入しかない。その傍ら小学生の弟もいる。彼女はまさに一家の大黒柱だった。少しでも稼ぎを増やそうと、彼女はいくつかの仕事を掛け持ちし、毎日早朝から働いていた。
袁利亜さんの転落死について、北京市警察当局ははじめから自殺だと断定した。
一方、彼女はビル転落直前、勤務先の男性保安員6人に密室に監禁され集団性的暴行されたとの未確認情報もある。男性保安員のうち、2人が逃亡し、1人は自首したという。
遺族は警察当局に対して、ショッピングセンターに設置された監視カメラの映像の開示を要求したが、警察は拒んでいる。
8日、ショッピングセンター前で冒頭の大規模抗議が発生した。現場目撃証言によると、当局は大量の武装警官を投入し、ヘリコプターまで出動した。また、特殊警察隊は遺族を現場から連れ出し、抗議者たちは警察隊の制止を振り切ってデモ行進をも行った。
事件の情報を当局は厳しく封鎖している。インターネットで関連キーワードで検索しても、「関連の法規と政策に従い、検索結果をリストアップできない」との文言が表示される。北京のメディアも一切報道していない。
(翻訳編集・叶子)