中国で相次ぎ起きている教師による女子小学生への性的暴行事件に、日本のAV女優・蒼井そらさんが思わぬ形で巻き込まれている。インターネット上で「校長よ、ホテルに泊まるなら私と。小学生には手を出さないで」と書かれた習字作品を持つ彼女の写真が出回り、政府系メディアが「最低限の職業モラルも失った」などと厳しく批判し、怒りの矛先を彼女に向けた。しかし、蒼井さんにとっては、写真も政府の怒りも飛んだ迷惑だったようだ。
小学校校長や教師が女子児童に性的暴行を加える事件が相次いだことで、女性活動家・叶海燕さんが「校長よ、ホテルに泊まるなら私と。小学生には手を出さないで」というメッセージのプラカードを持った抗議写真がネットで注目されたのが発端だ。その後、真似するネットユーザーが続出し、蒼井さんが同じメッセージを書いた習字作品をもつ写真もそういったなかで投稿された。
中国で大人気の蒼井さんのこの写真はすぐに広まった。これをうけ、人民日報系の環球時報は大学学長のコメントとして、「児童猥褻という社会的注目事件を利用して、自身の商売の宣伝を行うのは、最低限の職業モラルを失っていることだ」と蒼井さんを痛烈に批判した。
中央テレビCCTVの公式ミニブログ(微博)のほか、新浪、捜狐など大手ポータルサイトも相次ぎこの報道を転載した。
政府系メディアのこの論調にネット上では非難の意見が殺到。浙江ラジオのパーソナリティの魯瑾さんは、「わが公安当局が事件の真相を公開しないくせに、蒼井さんにケチをつけるなんて、筋違いだろう」と一蹴。中国青年報の編集主任・曹林さんも「蒼井そらのメッセージに本当になんらかの商業目的があるにしても、環球時報のこの種のナショナリズムよりずっとクリーンだ」と批判した。
しかし、ここにきて事態が急転。問題となった蒼井さんの写真は、何者かが悪戯で作った合成写真であることが判明した。
もともとの蒼井そらさんの写真(ネット写真)
環球時報はその後、こっそりホームページからこの報道を取り下げたが、物笑いのタネとなっている。